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フェロンがロングスパートで逃げ切り、個人総合はワウトが堅守|クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ

ツール・ド・フランス前哨戦のクリテリウム・ドゥ・ドーフィネ。現地6月10日に第6ステージが行われ、レース前半に形成された逃げグループがそのままステージ優勝争いへ。最後は残り1kmを切った直後のロングスパートに成功したヴァランタン・フェロン(トタルエナジーズ、フランス)が逃げ切り勝利。トタルエナジーズは第2ステージのアレクシー・ヴィエルモ(フランス)に続き、今大会2勝目を挙げた。個人総合のマイヨジョーヌは、ワウト・ファンアールト(ユンボ・ヴィスマ、ベルギー)が堅守している。

24歳フェロンがビッグレース初勝利

開幕以降、個人タイムトライアルで争われた第4ステージをのぞいて、ロードレースステージではスプリントか逃げ切りで勝者が決してきた。大会最終盤に本格山岳が待ち受けることもあり、同様のレース展開はこの第6ステージが最後になるものと見られる。

©︎ A.S.O./Aurélien Vialatte

この日はリヴからギャップまでの196.5km。今大会の最長ステージは、丘陵コースにカテゴライズされるように前半からカテゴリー山岳が連続するなど、タフな上りが待ち受ける。一方で、最後のカテゴリー山岳となる2級の上りからフィニッシュまで約57kmあり、多少遅れても挽回できるチャンスはある。逃げでトライしたい選手、スプリントに賭ける選手と、その思惑がぶつかり合う1日となることは間違いない。

レースに先立って、前日までに個人総合8位につけていたフアン・アユソ(UAEチームエミレーツ、スペイン)が出走しないことを発表。前夜から胃腸炎の症状が出ており、発熱も併発していることがチームによって明らかにされた。また、スタートして早い段階ではミハウ・クフィアトコフスキ(イネオス・グレナディアーズ、ポーランド)もリタイア。上位進出を図るチームとしては痛手となる強力メンバーの離脱になった。

そんな波乱の幕開けとなったレースは、リアルスタートから出入りが激しく、なかなか逃げグループ形成まで至らない。状況が落ち着き始めたのは、このステージ2つ目となるカテゴリー山岳である3級の上り。ここでフェロンや山岳賞リーダーのピエール・ロラン(B&Bホテルズ KTM、フランス)ら7人が抜け出し、メイン集団に対してリードを広げていく。この間、山岳ポイントはすべてロランが1位通過。着実に山岳賞ジャージを固いものとしている。

©︎ A.S.O./Aurélien Vialatte

レース半ばでは、先頭メンバーとメイン集団との差は4分30秒近くにまで拡大。集団はリーダーチームのユンボ・ヴィスマがペーシングを担って、中間地点を過ぎてからは少しずつ前との差を調整していった。

©︎ A.S.O./Aurélien Vialatte

後半に入って、先頭ではブルーノ・アルミライル(グルパマ・エフデジ、フランス)が遅れて6人逃げに。メンバーはフェロン、ロランのほか、ジョフレ・ブシャール(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、フランス)、アンドレア・バジオーリ(クイックステップ・アルファヴィニル、イタリア)、ヴィクトル・ラフェ(コフィディス、フランス)、ワレン・バルギル(チーム アルケア・サムシック、フランス)。フィニッシュまで45kmを残したところでメイン集団との差は2分45秒だったが、その後もほぼ同じタイム差をキープ。残り10kmまで2分程度の差を維持し、逃げ切りのチャンスが膨らんでいく。

©︎ A.S.O./Aurélien Vialatte

先行する選手たちが総合成績に関係しないとあって、メイン集団は無理に前を追う姿勢は見せず、この日最後の2級山岳を通過して以降も淡々と進行。一度は遅れていたスプリンターのディラン・フルーネウェーヘン(チーム バイクエクスチェンジ・ジェイコ、オランダ)やクリストファー・フルーム(イスラエル・プレミアテック、イギリス)らも集団復帰を果たしている。

©︎ A.S.O./Aurélien Vialatte

勢いが最後まで衰えなかった逃げメンバーは、最終局面こそ集団との差が1分を切ったが、逃げ切るには十分なリード。最後の1kmを前にいよいよステージ優勝をかけた駆け引きが本格化したが、最後尾につけていたフェロンが残り600mで早めの仕掛け。このロングスパートが実って、ライバルの追随は許さない。フェロンにとっては自身初となるドーフィネでのステージ優勝を決めた。

プロ3年目、23歳のフェロンにとっては、これがプロ2勝目。ドーフィネクラスのビッグレースでは初めてとなる勝利となった。今大会好調のトタルエナジーズにとっては、第2ステージで逃げ切ったヴィエルモに次ぐステージ優勝に。

©︎ A.S.O./Aurélien Vialatte

フェロンと逃げていた選手たちが3秒差で2位から6位までを占め、メイン集団は32秒差でフィニッシュへ到達。フアン・モラノ(UAEチームエミレーツ、コロンビア)が先着したが、残り10kmを切ったタイミングでユーゴ・パージュ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、フランス)への暴力行為があったことから失格の裁定が下っている。

このステージを終えた段階での個人総合の大幅な変動はなく、ファンアールトがマイヨジョーヌをしっかり守っている。

©︎ A.S.O./Aurélien Vialatte

大会は残すところ2ステージ。ここからは本格山岳へと入っていく。現地11日に行われる第7ステージは、サン=シャフレからヴォジャニーまでの135kmに設定される。リアルスタートから早々に名峰ガリビエ峠(登坂距離23km、平均勾配5.1%)の上りを開始。その後長い下りを経て、2つ目の超級山岳クロワ・デ・フェール峠(29km、5.2%)へ。標高2000m級の上りを2つこなした選手たちが最後に上るのは、フィニッシュラインが敷かれるヴォジャニーへの2級山岳。レース最後の5.7kmは平均勾配は7.2%ながら、下りも込みの数字であり、実際は10%超の登坂をこなすことになる。マイヨジョーヌ争いの行方が見えてきそうな1日。順位の大幅シャッフルが見られることだろう。

ステージ優勝 ヴァランタン・フェロン コメント

©︎ A.S.O./Aurélien Vialatte

「大きな勝利で、多くの仕事に対する成果だ。いつだって勝ちたいと思っているが、プロキャリアが少ないので、まずはこの勝利を喜びたい。本当に満足している。逃げグループのメンバーにも恵まれた。

スプリントが得意ではないので、一度冷静になって勝負どころを見極めた。今年はチーム状態がとりわけ良くて、全員が自信をもって走れている。それが今季の結果に表れていると思う」

個人総合首位 ワウト・ファンアールト コメント

©︎ A.S.O./Aurélien Vialatte

「チームとして個人総合順位のキープを最優先した。1日中集団をコントロールしたが、逃げグループが力のある選手たちだったのでレースそのものを楽に終えたかった。序盤から激しく、その後も一部のチームはステージ狙いの動きを見せていたが、われわれとしては計画どおりのレースができた。

私自身、上りの走りはさほど悪くはない。すでにいくつものアップダウンをこなしてきたが、明日は違った感覚になることは分かっている。チームには経験豊富なプリモシュが控えているので、また違ったレースができると思う」

クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2022 第6ステージ結果

ステージ結果

1 ヴァランタン・フェロン(トタルエナジーズ、フランス) 4:22’17”
2 ピエール・ロラン(B&Bホテルズ KTM、フランス)+0’03”
3 ワレン・バルギル(チーム アルケア・サムシック、フランス)ST
4 アンドレア・バジオーリ(クイックステップ・アルファヴィニル、イタリア)
5 ジョフレ・ブシャール(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、フランス)
6 ヴィクトル・ラフェ(コフィディス、フランス)
7 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(トタルエナジーズ、ノルウェー)+0’32”
8 ディラン・フルーネウェーヘン(チーム バイクエクスチェンジ・ジェイコ、オランダ)
9 マティス・ルーヴェル(チーム アルケア・サムシック、フランス)
10 ジョルディ・メーウス(ボーラ・ハンスグローエ、ベルギー)

個人総合時間賞

1 ワウト・ファンアールト(ユンボ・ヴィスマ、ベルギー) 21:27’20”
2 マッティア・カッタネオ(クイックステップ・アルファヴィニル、イタリア)+1’03”
3 プリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ、スロベニア)+1’06”
4 イーサン・ヘイター(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)+1’32”
5 ヨナス・ヴィンゲゴー(ユンボ・ヴィスマ、デンマーク)+1’36”
6 ダミアーノ・カルーゾ(バーレーン・ヴィクトリアス、イタリア)+1’49”
7 テイオ・ゲイガンハート(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)+1’55”
8 マッテオ・ヨルゲンソン(モビスター チーム、アメリカ)+2’00”
9 ベン・オコーナー(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、オーストラリア)+2’10”
10 ウィルコ・ケルデルマン(ボーラ・ハンスグローエ、オランダ)+2’12”

ポイント賞

ワウト・ファンアールト(ユンボ・ヴィスマ、ベルギー)

山岳賞

ピエール・ロラン(B&Bホテルズ KTM、フランス)

ヤングライダー賞

イーサン・ヘイター(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)

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PROFILE

福光俊介

福光俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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