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マリア・ローザはログリッチ、カヴェンディッシュが最終ステージを飾った|ジロ・デ・イタリア

ジロ・デ・イタリアの最終・第21ステージが現地5月28日に行われ、マーク・カヴェンディッシュ(アスタナ・カザクスタン チーム、イギリス)がステージ優勝を飾った。今ジロ期間中に引退を発表したカヴェンディッシュ。最終ステージで彼らしいスプリントをみせてくれた。

2023年のジロ・デ・イタリアのマリア・ローザはプリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ、スロベニア)、ポイント賞のマリア・チクラミーノはジョナサン・ミラン(バーレーン・ヴィクトリアス、イタリア)、山岳賞のマリア・アッズーラはティボー・ピノ(グルパマ・エフデジ、フランス)、ヤングライダー賞のマリア・ビアンカはジョアン・アルメイダ(UAEチームエミレーツ、ポルトガル)で確定。

また、チーム総合優勝は日本チャンピオンジャージを着る新城幸也が所属するバーレーン・ヴィクトリアスとなった。

平坦ステージ。スプリンターの競演

第21ステージは、ローマで行われる126kmの平坦ステージ。45kmほど走った後、13.6kmの周回コースを6周する。コーナーが多数登場するテクニカルなコースだが、最後はスプリンターによる争いが予想された。

スタート後、プロトンは4賞ジャージをトップに走行。その後、マリア・ローザチームのユンボ・ヴィスマの8人が先頭を走る。なお、21日間を通して一人もチームメイトがリタイアしなかったのは、このユンボ・ヴィスマとバーレーン・ヴィクトリアスのみだった。

集団は穏やかに走行。昨日までのことが嘘のように、リラックスした表情で各選手が走っていく。

周回コースに入り3人の逃げ

集団はユンボ・ヴィスマを先頭に周回コースに突入。動きが出たのは、1周目を終えるころ・残り約68kmだった。チェザーレ・ベネデッティ(ボーラ・ハンスグローエ、ポーランド)、マキシム・ブエ(チーム アルケア・サムシック、フランス)、トムス・スクインシュ(トレック・セガフレード、ラトビア)が先行し、3人の逃げが出来上がる。タイム差は約30秒。やっといつものレースのようになってきた。

この中で注目は、中間スプリントポイント賞でデレク・ジー(イスラエル・プレミアテック、カナダ)を追いかけていたスクインシュ。55kmの中間スプリントポイントをトップ通過し、暫定2位に躍り出る。

その後も逃げとメイン集団の構図は変わらず。スクインシュは28km地点の中間スプリントポイントもトップで通過し、ジーを逆転した。

メイン集団が逃げ集団を吸収。スプリント争いへ

約20km、メイン集団がペースアップ。タイム差を徐々に縮めていく。

残り14km、メイン集団からマグナス・コルト(EFエデュケーション・イージーポスト、デンマーク)がアタック。それをきっかけに集団はさらにペースアップし、12kmで逃げ3人を飲み込んだ。この頃になるとスプリントに向けてそれぞれのチームが隊列を組み始める。残り7km、イネオスが集団をけん引。さらにジョナサン・ミラン(バーレーン・ヴィクトリアス)を擁する新城も先頭でけん引し、仕事をこなす。

残り3km、先頭に出てきたのはモビスター チームの3人。フェルナンド・ガビリア(コロンビア)のために主導権を握る。

すると今度はトーマスがスルスルと前方に上がってきた。何をするかと思えば、カヴェンディッシュに話しかけ、カヴェンディッシュとルイスレオン・サンチェス(アスタナ・カザクスタン チーム、スペイン)を引き連れ、けん引し始めたのだ。トーマスは残り1kmまで先頭で引き続けた。アシストの真偽は不明だが、粋な走りだ。しかし、トーマスの走りには魅了させられる。

ここまでくれば後は、スプリンターの脚の見せ合いだ。最終ステージ、ここまでの相次ぐリタイアも影響してか、ゴール前で複数の選手をそろえられているチームはほとんどいなかった。

残り500m、トップで通過したのはアンドレア・パスクアロン(バーレーン・ヴィクトリアス、イタリア)。その後ろにモビスター、ミランと続く。

フィニッシュまで残りわずか。横一列、スプリンターはそれぞれのポジションでスプリントを開始する。その中で最も力強い走りをみせたのがカヴェンディッシュだった。ガビリアの番手につきスプリントを始めるとあっという間に先頭へ。後方で落車が起き、他の選手がペースダウンしたこともわずかに影響したかもしれないが、それでもカヴェンディッシュのスピードは素晴らしかった。最後はガッツポーズをする余裕をみせてフィニッシュラインをトップで通過した。

また直後、マリア・ローザに身を包んだログリッチも両手を挙げてフィニッシュ。ジロ総合優勝を確定させた。

3週間に渡るジロ物語が集結

今ジロの第1ステージの出走人数は176人。しかし悪天候による落車、新型コロナウイルス陽性などの影響で数々の選手が大会を去り、最終ステージに出走したのは125人だった。

いろいろなことがあった。しかし置かれた状況の中で最善を尽くし走り続けた選手たちは、私たちに多くの感動をプレゼントしてくれた。

ステージ優勝 プリモシュ・ログリッチ コメント

「信じられない日になったよ。とてもうれしい。チームメートが素晴らしい仕事をしてくれた。僕がジロで初めて勝ったのは2008年だったけれど、また勝てたことが信じられない。それから、ゲラント・トーマスのように、ゴールした後に多くのチームメートや友人が喜んでくれている姿をみられたのがうれしかったよ」

個人総合時間賞 プリモシュ・ログリッチ コメント

「ローマの街を走るのは楽しかった。まだジロ・デ・イタリアで勝つことがどういうことなのか、実感できていないよ。昨日のレースを終えた後、自分の気持ちを落ち着けようとした。すべての勝利は特別なもので、今回優勝できたことにもとても感謝している。これからの人生にも刻み込まれるものになるよ」

ジロ・デ・イタリア2023 第20ステージ結果

ステージ結果

1 マーク・カヴェンディッシュ(アスタナ・カザクスタン チーム、イギリス)2:48’26”
2 アレックス・キルシュ(トレック・セガフレード、ルクセンブルク)ST
3 フィリッポ・フィオレッリ(グリーンプロジェクト・バルディアーニCSF・ファイザネ、イタリア)+’42”
4 アルベルト・ダイネーゼ(チーム ディーエスエム、イタリア)+’55”
5 アレクサンダー・クリーガー(アルペシン・ドゥクーニンク、ドイツ)+59”
6 ジェイク・スチュワート(グルパマ・エフデジ、イギリス)+1’05”
7 フェルナンド・ガビリア(モビスター チーム、コロンビア)+1’07”
8 マイケル・マシューズ(チーム ジェイコ・アルウラー、オーストラリア)+1’18”
9 アルネ・マーリッツ(アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ、ベルギー)+1’49”
10 ジェイク・スチュワート(グルパマ・エフデジ、イギリス)+1’53”

個人総合時間賞(マリア・ローザ)

1 プリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ、スロベニア)85:29’02”
2  ゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)+14”
3 ジョアン・アルメイダ(UAEチームエミレーツ、ポルトガル)+1’15”
4 ダミアーノ・カルーゾ(バーレーン・ヴィクトリアス、イタリア)+4’40”
5 ティボー・ピノ(グルパマ・エフデジ、フランス)+5’43”
6 テイメン・アレンスマン(イネオス・グレナディアーズ、オランダ)+6’05”
7 エディ・ダンバー(チーム ジェイコ・アルウラー、アイルランド)+7’30”
8 アンドレアス・レックネスン(チーム ディーエスエム、ノルウェー)+7’31”
9 レナード・ケムナ(ボーラ・ハンスグローエ、ドイツ)+7’46”
10 ローレンス・デプルス(イネオス・グレナディアーズ、ベルギー)+9’08”
123 新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス、日本)+5:21’17”

ポイント賞(マリア・チクラミーノ)

ジョナサン・ミラン(バーレーン・ヴィクトリアス、イタリア)

山岳賞(マリア・アッズーラ)

ティボー・ピノ(グルパマ・エフデジ、フランス)

ヤングライダー賞(マリア・ビアンカ)

ジョアン・アルメイダ(UAEチームエミレーツ、ポルトガル)

チーム総合時間賞

バーレーン・ヴィトリアス 256:21’18”

PHOTO:Sprintcycling/TeamBahrainVictorious

 

▼ジロ・デ・イタリア2023スタートリスト&コースプレビューはこちら

ジロ・デ・イタリア2023

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Bicycle Club編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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