1時間でこのコク深さ!スパイシー・デミグラスソースの作り方
buono 編集部
- 2024年04月03日
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プロに聞く!デミグラスソース
洋食の要となるデミグラスソース。誰もが親しみ、愛してやまない味だが、作るとなると数日を要するシロモノだ。味には妥協せず、でももう少し手軽に作ることはできないだろうか? そんな難題にミシュランシェフが答えてくれた。それが今回紹介する「スパイシー・デミ」だ。
ソース作りのヒントはイタリアの郷土料理にあった!
この難題に挑戦してくれたのは、『おとなのいざかや なかとがわ』の中戸川弾シェフだ。シェフはソース作りにあたりこう答えた。
「イタリア・ピエモンテ州に『ブラザート』という郷土料理があります。牛の塊肉を『バローロ』で煮込んだ料理ですが、これをソースに転換してみようと」。
そこで生まれたのが、「バローロ」をふんだんに使ったこのソースだ。ソースはワインの味に左右される部分が大きいので、いろいろなワインを使い比べるのも面白いという。
スパイシー・デミの3大ポイント!
【1】バローロの力強さがソースの味を深くする!
バローロの重厚感と豊かな味わいがソースの決め手。代用するなら、カベルネやシラーなどパワフルで果実味あるものがおすすめだ。
【2】甘さはチェリーで加えてすっきりした後味に!
まろやかな甘さもデミの大切な要素だ。アメリカンチェリーを使えば、砂糖や蜂蜜よりもすっきりした後味になる。なければブドウでもOKだ。
【3】7種のホールスパイスでパンチを利かせろ!
コクとキレを生み出すスパイスは、ホールを用意したい。黒っぽく変化するまでしっかり焙煎して香りを引き出すのがポイントだ。
1時間ほどで出来る! バローロ仕込みの「スパイシー・デミ」
材料1
玉ねぎ……350g
セロリ……100g
ニンジン……200g
ニンニク……1片
アメリカンチェリー……100g
牛薄切り肉……250g
バローロ……500ml
水煮ホールトマト……150g
水……500ml
粗塩……10g
バルサミコ酢……35ml
材料2
シナモンスティック……1/3本
乾燥赤唐辛子……1本
カルダモン……15さや
黒コショウ……30粒
クローブ……8粒
コリアンダーシード……60粒
ローリエ……2枚
サラダ油……15ミリリットル
【作り方】
1
厚手の鍋に炒め油(分量外)を入れて中火にかけ、薄切りにした野菜を一度に加える。ときどき混ぜながら5分ほど透明感が出るまで炒める。
2
フライパンに炒め油(分量外)を入れて強火で熱する。牛薄切り肉を重ならないよう広げ、両面にさっと焼き色をつけ、炒めた野菜に加える。
3
肉を焼いたフライパンに少量の水(分量外)を加えて火にかけ、へらで焼き汁をこそげて加える。
4
バローロと水、ニンニク、粗塩、水煮トマトを手で潰しながら加え、火を強め、沸騰したら中火に落とし、アクを取りながら40分~1時間煮込む。
5
こし器でこして別の鍋に移す。バルサミコ酢30ミリリットルを加えて中火にかけ、全体が約200ミリリットルになるまで煮詰める。
6
アメリカンチェリーを加えて2~3分煮込み、ハンドブレンダーでなめらかにする。
7
別の小鍋に【材料2】を加えて中火にかける。スパイスの香りが立つまでしっかり熱し、油ごと加える。
8
好みのとろみに煮詰まったら、仕上げに残りのバルサミコ酢を加え、網でこす。
スパイシー・デミソースに合う!サーロインカツレツ
渾身のソースと牛カツの合わせは、肉の旨味の相乗効果で悶絶必至だ。ソースと半熟ゆで卵を混ぜながら味わえば、よりまろやかな味が楽しめる。
材料1(2〜3人分)
・牛サーロインステーキ用……350g
・溶き卵・薄力粉・サラダ油……各適量
・オリーブオイル・バター……各大さじ2
・粗塩・ブラウンマスタード・和辛子……少々
・半熟ゆで卵…1個 レモン……1/4個
・トレビス、クレソンなど生野菜……適宜
材料2
・ドライパン粉……70g
・パルミジャーノ……7g
・塩……1つまみ
・ニンニク……薄切り1枚
作り方
1.牛肉は余分な脂身を取り除き、室温に戻しておく。
2.【材料2】をフードプロセッサーにかけ、きめ細かいパン粉を作る。
3.牛肉全体に、薄力粉、溶き卵、2の順につける。
4.フライパンに肉が1/3ほど浸る量のサラダ油とオリーブオイル、バターを熱する。下ごしらえの済んだ牛肉を入れて中火で片面を揚げ焼きする。
5.焼き色がついたら裏返し、さじで油を全体に回しかけ、裏面にも油を行き渡らせながらきつね色に焼き上げる。
6.余分な油をペーパーでおさえ、網の上で5分ほど休ませる。
7.半熟ゆで卵やドレッシングをからめた野菜を皿に盛る。食べやすく切った6を盛り、塩、レモン、マスタード類を添える。
贅沢にも「バローロ」を使った、スパイスたっぷりのデミグラスソース。この奥深い味が1時間ほどでできるのだから、挑戦しない手はない。是非一度ご家庭で試してみては?
【DATA】
おとなのいざかや なかとがわ
住所/東京都渋谷区上原1-33-12 ちとせビル2F
営業時間/17:30~24:00L.O.(日曜は21:30L.O.)
定休日/月曜(月曜が祝日の場合は翌火曜日休み)
電話/03-6416-8086
中戸川 弾
イタリア修行で培った本格イタリアンに、家庭的な和食の要素を取り入れた料理に定評がある。2013年にオープンし、「ミシュランガイド東京2017 ビブグルマン」にも掲載。
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PROFILE
buono 編集部
使う道具や食材にこだわり、一歩進んだ料理で誰かをよろこばせたい。そんな料理ギークな男性に向けた、斬新な視点で食の楽しさを提案するフードエンターテイメントマガジン。
使う道具や食材にこだわり、一歩進んだ料理で誰かをよろこばせたい。そんな料理ギークな男性に向けた、斬新な視点で食の楽しさを提案するフードエンターテイメントマガジン。