煮干し出汁は掟破りな引き方でここまで上品に美味しくなる!
buono 編集部
- 2023年09月18日
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煮干し出汁といえば
煮干し出汁といえば、家庭的、庶民的なイメージを抱く人も多いかもしれない。しかし今回、醸造料理人の伏木暢顕氏が掟破りの出汁の取り方を伝授してくれた。まさに煮干し出汁革命とも言えるこの方法を早速紹介しよう。いつもの味噌汁が劇的に美味くなることうけあいだ。
今までの常識を覆す驚きの3大革命ポイント!
「家庭科で習うような煮干し出汁のレシピには、頭と内臓を取るだの、フライパンで炒るだのと書いてあります。しかしそれらは家庭で手早く出汁を取るための方法。今回の方法ではそれらの工程は必要ありません」と伏木氏。
深いコクやまろやかな甘みがあるエレガントな味わいに仕上がり、上品な吸い物にもできる伏木流煮干し出汁のポイントは3つ。
【ポイント1】頭と内臓は取らなくていい!
教科書通りの煮干し出汁のセオリーでは、煮干しの頭と内臓を取り除くところから始まる。しかし長時間煮出せばその工程は必要ないのだ。
【ポイント2】2~3時間かけてじっくり煮出す
通常、煮干し出汁を煮出す時間は数分~数十分とされる。それをあえて2~3時間かけてみると、煮干しとは思えぬ上品な出汁に出会える。
【ポイント3】高級品でなくてもおいしい出汁に
高級な煮干しの方が断然おいしいだろう…と思いがちだが、いつものスーパーで買える煮干しでいい。ただし量はケチってはならない。
煮干しの実力を思い知れ! ネオ煮干し出汁の作り方
それでは作り方を紹介しよう。
【材料】作りやすい分量
・煮干し(白口煮干し)……13g
・水……1L
【作り方】
1.
煮干しは水とともに鍋かボウルに入れ、冷蔵庫で一晩(約8時間)おく。
2.
1を中火にかける。80度まで温度が上がったらごく弱火に落とす。
3.
アクが出てきたらこまめにすくい取る。
4.
2時間くらいたったら、味を見ながら加熱する。臭みがなくなり甘みを感じるようになればOK。好みにより、60度に落としてから利尻昆布20g(分量外)を加えて15~20分加熱しても良い。
5.
火を止めて、布かクッキングペーパーを敷いたザルで濾す。
6.
ボウルの上に金網を載せてザルを置き、自然に水気を切る。常温で冷ます。
教科書通りのルールを破るやり方とも言える今回のネオ煮干し出汁。
「煮干し出汁は独特の臭みが苦手という人も多いと思います。でも、2時間以上煮ていると、突然その臭みが甘みに変わる瞬間がやってくるんです!」と伏木氏は語る。
また、最後に“追い利尻”をするとより上品になり、吸い物にもできるほど洗練された味わいに仕上がるという。「pH値は8で弱アルカリ性の出汁なので、醤油なら弱酸性の濃口醤油がおすすめ。濃い色の味噌も合いますよ」
ご家庭でも出来るこのネオ煮干し出汁、是非一度チャレンジしてみては?
教えてくれたのはこの人!
伏木 暢顕
醸造料理人であり、日本の発酵食文化伝承人。発酵教室の講師としても活躍し、発酵食文化を国内外に発信している。現在の「発酵食」や「麹」人気の立役者の一人。
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PROFILE
buono 編集部
使う道具や食材にこだわり、一歩進んだ料理で誰かをよろこばせたい。そんな料理ギークな男性に向けた、斬新な視点で食の楽しさを提案するフードエンターテイメントマガジン。
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