“正しい”茶漬けの流儀、4つのポイント
buono 編集部
- 2020年10月01日
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日本人にとって茶漬けは、馴染みのある料理。単に湯をかける人もいれば、文字通り茶で楽しむ人もいる。近年では、出汁をかけて楽しむ出汁茶漬けもよく耳にする。
その発祥は定かではないが現代のようにスイッチひとつで電気、ガスが容易に使えない時代に端を発すると考えられている。日の出とともに薪で米を炊き、米をおひつに収納。 昼と夜は冷や飯を食べるのがあたりまえだった時代に夜に温かいものをという真心から生まれた料理というわけだ。
そもそも茶漬けとは白飯に温かい茶をかけ、少しのおかずとともに食すもの。ここで迷うのは茶をかけるとはいえ、豊富に存在する茶葉のなかから何を選べば良いのか。また、具材との相性は?
銘店の主人が語る茶漬けのルール
茶漬けには正しい定義が存在しない。ただ、目的に応じた茶漬けを作ることでより美味しく楽しむことができる。こう語るのは『日本料理 一凛』の店主・ 橋本氏だ。
まず茶の性質を知ることが必要だ。緑茶は温度によって味が変わるもの。一般的に 一番茶は60°C〜70°Cの湯で淹れることで茶葉の旨味を味わい、二番茶は100°Cに近い熱めの湯で渋みを楽しみ口の中をさっぱりとさせる。その手法が通用しないのがほうじ茶だ。
「ほうじ茶は熱湯で淹れ、立ち上る香りを楽しむものです。緑茶ほど旨味はありませんが、茶漬けの具材に含まれる出汁、酸味、塩味、甘辛の4つの味覚は 相性抜群。日本料理はフランス料理と異なり、口の中で完成させる料理。これが私なりの茶漬けのルールです」
では、この中で出てきた茶漬けを楽しむ上でに欠かせないポイントを大きく4つに分けて紹介しよう。
【ポイント1】おすすめは『ほうじ茶』
茶漬けの茶には、高温の湯で淹れるほうじ茶が最適。高温であるために具材からダシを引き出すことができるのがその理由だ。
ほうじ茶以外はNGなのか?
率直に言うとほうじ茶でなくても緑茶でも良い。しかし、覚えておきたいのは、緑茶の旨味成分が邪魔しない具材選び、もしくは旨味成分を活かすことができる具材であればOKなのだ。その際に相性の良い具材は、ダシ系ではなく塩味や酸味が活きた味付けのものだ。
【ポイント2】ごはんは炊きたてを使おう!
旧くは江戸時代から愛されている茶漬け。本来のルーツを辿るならば、使われる白飯は冷や飯だが、れっきとした日本料理として楽しむのであれば、炊きたてが良い。
【ポイント3】具材から出るダシで美味さ倍増!
ちりめん山椒は、極小と呼ばれる希少な個体を使用して作られた。熱い茶を注ぐことでちりめんのダシ、山椒の香りが食欲をそそる。具材のダシは茶漬けを楽しむ重要なポイントだ。
【ポイント4】塩味・酸味・甘辛味の3要素を生かせ!
漬け物の塩味
茶漬けでなくても日本食には欠かせない漬け物。茄子とキュウリの古漬け、柴漬け、大根のたまり醤油漬けは茶漬けの良き友となる。
梅干しの酸味
日本の漬け物として旧くから親しまれ、酸味の代表的な保存食である梅干し。茶の旨味成分とも相性が良く、緑茶の茶漬けとも合う。
佃煮などの甘辛味
甘辛の具材も茶漬けによく合う。鰻の佃煮は醤油をベースとし甘辛く炊きあげたもの。もちろん、高温の茶で鰻のダシも引き出せる。
本来、茶漬けにルールはない。だが今回紹介した4つのポイントを取り入れることで美味しい茶漬けを楽しむことができる。普段の茶漬けをレベルアップするだけでなく、このメソッドをベースに新しい茶漬けを探究するのも面白いはずだ。
教えてくれたのはこの人!
橋本 幹造
『日本料理 一凛』店主。
日本料理 一凛
住所/東京都渋谷区神宮前2-19-5 AZUMAビル2F
TEL/03-6410-7355
営業/12:00〜15:00、18:00〜22:00 ※完全予約制
休み/不定休
http://mikizo.com/
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PROFILE
buono 編集部
使う道具や食材にこだわり、一歩進んだ料理で誰かをよろこばせたい。そんな料理ギークな男性に向けた、斬新な視点で食の楽しさを提案するフードエンターテイメントマガジン。
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