肉料理を完成させる塩使いのルール
buono 編集部
- 2020年06月01日
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肉を知り尽くしたパイオニアが語る、肉にとっての塩の役割とは?
塩の役割は、臭み取り、肉の余分な水分を浸透圧で出す、旨味を引き出すという3つの役割がある。美味しい肉の定義として、いまは肉の持つ水分量が42%という値が一番ジューシーで美味しさを感じられると言われている。塩を振って水分を出すことで、理想の水分量に近づけると高山氏は語ってくれた。
そして、「塩と肉はライバル関係だ」と言い切る高山氏。お互いを引き立て合うのに不可欠な存在なのだとか。肉をワンランクアップして美味しくしてくれる調味料である、塩使いの基礎を学んで、肉の美味しさを最大限に引き出してあげるのが、美味しい肉料理を作るための第一歩なのだ。
まずは、ベストな塩味を知ろう!
基本を守りながら肉によって調整
肉100gに対しての味付けでベストな塩の量は、牛肉でも豚肉でも鶏肉でも0.9~1.3%が基本と言われている。この振れ幅は、肉の旨味によるところが大きい。美味しい肉に塩を振りすぎると、ドリップが出過ぎて旨味まで飛んでしまうので加減が必要だ。
しかし、パサつきやすい鶏のむね肉は例外で、購入したら3~5%の塩水に丸1日ほど漬け込んでから焼くのが高山氏のアドバイス。余分な水分を出すと同時に保湿もされるので、驚くほどジューシーに焼き上がる。塩水に漬けた鶏肉は4日ほど保管も可能なので、ぜひ試してみてほしい。
焼く前? 後? 塩のタイミング!
安い肉は前に塩を振り、高級肉は味付けに塩を振ること!
スーパーで売っている肉などは先に塩を振っておき、余分な水分を出してから焼きの工程に入るのが基本。そうすることで、肉の臭みが取れ、理想の水分量に近づく。比較的高級な和牛やドライエイジドビーフは水分量がコントロールされているので、味付けのための塩だけで十分。また、塊肉などは肉に均等に火が入るように焼く前に冷蔵庫から出して置き、常温に戻しておくのが理想。肉の温度変化の幅を小さくすることで、肉が縮みにくくなる効果もある。
ドリップが火入れをサポート!
直火の肉料理はドリップを出して失敗知らずに
肉に塩を振ることで、浸透圧の関係で肉が保有する水分が外に出てくる。これは肉にとっての日焼けオイルのようなもの。水分を媒介して肉に火があたることで、肉の表面だけが焦げるのを防いで、じっくりと火入れができる効果がある。BBQなど、火が直接肉に当たる肉料理の際は、塩で肉のドリップを出してから焼くと失敗知らず。また、美味しい和牛の選び方のポイントは、ピンク色の肉ではなく、あずき色の肉を選ぶこと。色が濃い肉はメス肉であることが多く、オス肉に比べて柔らかくてジューシーだ。
塩を振る前のドリップは臭みがあるので、キッチンペーパーでしっかり拭き取ってから塩を振るのがポイント。
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PROFILE
buono 編集部
使う道具や食材にこだわり、一歩進んだ料理で誰かをよろこばせたい。そんな料理ギークな男性に向けた、斬新な視点で食の楽しさを提案するフードエンターテイメントマガジン。
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