伝統的シャルキュトリのレシピへのこだわり 新川「SHUNGOURMAND」
buono 編集部
- 2020年12月07日
肉料理が幅広い料理のなかでもひときわ特別な存在であることは、食べる側だけでなく料理人たちにとっても例外ではない。そんな料理人の想いの丈が感じられる一皿を、詳細なレシピとともにご紹介していこう。料理人ならではの技術を学び、こだわりを感じながら、肉料理を謳歌していただきたい。
クラシックな料理のレシピは、アレンジしない
京橋の人気店『東京バルバリ』で、伝説のシェフとして名を馳せた小池俊一郎氏。自らオーナーシェフを務める『シュングルマン』では、日本各地の契約農家から直送される旬の食材を使った、季節の彩り溢れるメニューを提供。数々の経験で培ったフレンチ&イタリアンの伝統的な料理はもちろん、独自にアレンジを加えた独創的な料理も評判だ。
今回紹介する品は、イタリア人の友人から教わったという、シェフの思いが詰まったパテとテリーヌ。あえてアレンジを加えず、伝統的な作り方に基づいて再現している。
「クラシックな料理のレシピは、アレンジしないようにしています。伝統的なレシピは、完成されているものですから。いろんなパテやテリーヌがあります が、これが正解というのはないんです。各地方、各家庭にそれぞれのテリーヌやパテの味があって、それぞれ作る人の解釈や思いがある……。そういう食べ物なんですよ。日本でいえば、肉じゃがみたいな。今回作った料理は現地の人に教わった料理なので、あえて変えたくないんです。僕の思い出の味でもあるので」
決して奇をてらったりせず、レシピを教えてくれた友人の料理に対する思いを伝えるべく再現された、パテとテリーヌ。しかしたとえ家庭料理とはいえ、やはりそこはプロ。食材を知り尽くしたシェフだからこそ、挽肉の捏ね方ひとつにも匠の技が光る。テリーヌの場合は、ねばり気を出さないよう、強くもなく弱くもない、微妙な捏ね加減で混ぜ合わせていく。 シェフいわく「モサッと混ぜる」、これがテリーヌを食感よく仕上げるための混ぜ方の極意だという。挽肉の粒を崩し過ぎずに絶妙な加減で残すことで、肉の食感と旨さが存分に堪能できるのだ。
また、これらの料理は使い回しができるのも特徴。もともと保存食でもあるパテやテリーヌは、作り置きができる。テリーヌはパン粉を付けて揚げ、メンチかつ風ハンバーグに、レバーパテはブイヨンや生クリームでのばして、ソースに変身させることができる。この様にアレンジが楽しめるのも、パテやテリーヌの魅力だ。
パテドカンパーニュのレシピ・作り方 by SHUNGOURMAND
熟成パテが肉の旨味を際立たせる、田舎風テリーヌ。焼いたパテを寝かせることで、熟成した肉の深い旨味と香りが味わえる。絶妙な捏ね加減で混ぜたパテは、挽き肉のほどよい食感も楽しい。
パテドカンパーニュの材料(10人前)
豚肩ロース挽肉……2kg
豚ネック挽肉……1kg
香草(ローズマリー、タイム、セージ、ローリエ)……適量
豚の網脂……鍋のサイズに合わせて適量
A
玉ねぎソテー……2個分
ニンニク(みじん切り)……3g
卵……5個
鶏白レバー……500g
B
塩……48g
グラニュー糖……3g
コショウ(黒または白)……12g
キャトルエピス……1g
エルブドプロバンス……4g
C
生クリーム……200cc
コニャック……60cc
ポートワイン……60cc
詳しい作り方はこちら▼
鶏レバーのパテのレシピ・作り方 by SHUNGOURMAND
奥深い甘みが印象的な、ふわりとなめらかなパテ。鶏レバーの旨味とカソナードの自然な甘さが調和した極上の一品。臭みはまったくなく、喉を通った直後に、レバーの風味とコクがふわっと広がる。
鶏レバーのパテの材料(10人前)
玉ねぎ……1個
鶏白レバー……500g
ポートワイン……350cc
ケッパー(酢漬け)……30g
カソナード(砂糖)……50g
バター……150g
塩(仕上げ用)……適量
詳しい作り方はこちら▼
【DATA】
SHUNGOURMAND(シュングルマン)
住所/東京都中央区新川2-3-7 浪商ビル1F
電話/03-6222-8464
営業/11:45〜14:00(L.O.13:30)、18:00〜23:00(L.O.21:30)、土曜18:00〜23:00(L.O.21:00)
休み/日、祝日
※営業時間、定休日は変更の可能性があります。
http://shungourmand.jp/
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PROFILE
buono 編集部
使う道具や食材にこだわり、一歩進んだ料理で誰かをよろこばせたい。そんな料理ギークな男性に向けた、斬新な視点で食の楽しさを提案するフードエンターテイメントマガジン。
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