
ハーフショット練習がスイング上達の近道|初心者のためのゴルフの基本

EVEN 編集部
- 2019年12月19日
INDEX
せっかく練習へ行っても、フルショットばかりではなかなか上達しません。効率的に上手くなるためには、ハーフショット中心の練習がおすすめです。
【解説】小川泰弘(おがわ・やすひろ)
1972年生まれ、東京都出身。1999年にプロ入り。昭和の森ゴルフアカデミー所属。わかりやすいレッスンに定評があり、これまでに幅広い層のゴルファー約3000人を指導。
スイングの原点であるハーフショットを練習しておこう
スイングが固まらないうちは、なかなか良いショットを打てません。とくにドライバーやアイアンでフルショットの練習をしすぎると、スイングのバランスが崩れてミスを連発することになります。なぜかいうと、振り幅の大きなスイングではインパクト付近の軌道がぶれやすいからです。
スイングの基本をマスターするには、ハーフショットの練習が効果的です。7番アイアンを持ち、9時から3時までの振り幅でボールを打ちましょう。アプローチのスイングに似ていますが、違うのはスタンスを肩幅くらいに広げて構え、体重移動と体の回転を連動させて打つことです。ただし、手首を固定し、両肩と両腕の三角形をキープして振るのは一緒です。
小さなスイングでインパクトエリアの軌道を安定させれば、上達のスピードが早まります。




フェースの向きをチェック
初心者はテークバックでフェースが開きやすいので注意しよう。右腰の高さでクラブを止めて、フェースと背骨の傾きが揃っているかを確かめてみよう。

フォロースルーでもチェック
左腰の高さでも、フェース面と背骨は平行になります。ヘッドの先が上を向くのが目安。

(中)フォロースルーでフェース面が上を向くのはNGだ。
(右)ヘッドの先端が上を向けばOK
振り幅を少し大きくしながらスイングの修正を加えていこう
ハーフショットの練習でボールをまっすぐ打てるようになったら、振り幅を少し大きくしましょう。トップは時計の針の10時、フィニッシュは2時の高さが目安です。スイングが大きくなっても飛距離を出そうと思わないこと。ハーフショットと同様、フェースの芯にきちんと当てる感覚をつかむのが目的ですから、インパクトエリアの軌道をイメージして打ちます。

ときにはうまく当たらず、ストレスを感じることもあるでしょう。そんな時は両足を揃えて打つ練習や、両手を5〜10センチほど離してクラブを持ち、スイングする練習を取り入れると効果的です。
両足を揃える練習は軸を意識してスイングできますし、両手を離して持つ練習はインパクトエリアで両手を返しやすく、ボールをしっかりつかまえる感じがつかめます。
両足揃え打ちドリル
ミスショットが続いたら、両足を揃えて打つ練習でスイングを修正していきます。軸をキープして腕をスムーズに振る感覚を思い出しましょう。

両手を離して持つ練習
両手を離して持つと、インパクトからフォロースルーにかけて両腕を返しやすく、ボールのつかまりが良くなります。



クセになると厄介なスライスとダフリを早めに矯正しよう
初心者に限らず、多くのゴルファーにいえることですが、ドライバーショットではスライス、アイアンショットはダフリがミスの代表といえます。
ドライバーでボールが右に大きく曲がるスライスが生じやすいのは、ダウンスイングで体が早く開き、インパクトでフェースが開いてしまうからです。これを直すには体の開きを抑えることです。自分から見てボールの右斜め上側の後方にゴムティを置き、ボールを打ち終えるまでゴムティから目を離さないで打つ練習をしましょう。
アイアンのダフリを直すには打席のマットの左端のスペースを利用し、左足をマットから外して構えましょう。こうすると左足が少し低くなり、インパクト後にクラブヘッドを低く出しやすくなります。ダウンスイングで上体が右に傾くクセを矯正でき、ダフリが直ります。
スライスの原因と、ゴムティを使った練習方法
体が早く開いてしまうのがスライスの原因
ダウンスイングで体が早く開いてしまうと両手が先行して、フェースが大きく開いてボールに当たり、スライスが生じます。

スライスの修正練習法
テークバックの軌道のやや外側にゴムティなどクラブが当たっても心配のないもの置きましょう。

(中)ゴムティから目を離さない
(右)ボールの右側に置いたゴムティを見続ければ体の開きを抑えられる。
ダフリの原因とクセを矯正する方法
ダフリの原因は上体の傾き
ボールを上げようとするとダウンスイングで上体が右に傾きます。クラブヘッドが早く落ちてボールの手前を叩いてしまうことに。

ダフリの修正練習法
左足を右足よりも低くした状態でスイング練習すると効果的。

マットの端で立ち、左足下がりに近い姿勢で構えましょう。すくい打ちが簡単に直ります。

両手首クロスのシャドースイングで基本の動きをチェック
テレビでトーナメント中継を見ていると、プレー中のプロゴルファーがクラブを持たないでスイングの恰好をしている場面をよく見ます。これはシャドースイングといって、スイングのチェックに大きく役立ちます。
やり方としては、まずアドレスの前傾姿勢をつくり、体の真正面で両手首をクロスさせます。左手首を上にして両手の甲を重ね、両手首を互いに引っかけるように交差させるのがポイントです。バックスイングでは右手で左手を引っ張りながら上体を回転し、インパクトエリア以降は左手が右手を引っ張ってフィニッシュへと向かうという感覚でスイングしましょう。
この練習では体の回転と腕の振りがリンクしやすく、右手首の角度をずっとキープできます。その結果、手首をこねるなどの間違った動作を封じ込めることができるのです。
クラブを持たずに素振りする
通常のアドレスと同じ前傾角度をつくり、左手が上になるように両手首を交差させて構えます。

体の回転を使ってスイング
プロゴルファーもプレー中にこのシャドースイングを繰り返し、良いイメージを確認しています。

右手首の角度を変えないのがコツ
右手首の角度を保ちやすいため、体の回転と腕の振りの同調感覚がつかめます。

スマホを活用して自分のスイングを理想に近づけよう
自分では正しい動きをイメージしていても、実際にはクラブを大きく振りすぎたり、手先ばかりを使って体が回っていなかったりすることがよくあります。自分がどんな動きをしているかの確認はとても大事ですから、スマホの動画でスイングを撮影してもらいましょう。


ユーティリティをコースデビューの武器にする
コースデビューに向けての練習はハーフショットに球数を多く費やすことが大切ですが、ユーティリティもたくさん練習しておくことを勧めます。
ユーティリティはロフト角が24〜27度と多めのものを使いましょう。シャフトもアイアンよりも少し長いだけですから、フェアウェイウッドと比べれば、ずっとやさしく打てます。コースのプレーで使える場面が割合多く、スコアをまとめる上でも頼れるクラブです。
ユーティリティの練習でも最初は短く持ち、ハーフショットくらいの振り幅からスタートして、自信がついたところでスイングを少しずつ大きくしていきましょう。
うまく当たらない時は両足を揃えて打つドリルを取り入れ、軸をキープして振る感覚を思い出しましょう。こうして少しずつ自信を深めてください。
幅広いソールが一番の特徴
初心者にとってユーティリティはミスを少なく抑えてくれるクラブ。練習を沢山積んでおくと良いでしょう。短く持つとスイングの円弧が小さめとなり、それだけミート率がアップします。


アドレスもしっかりチェック
アドレスの姿勢が良くないとボールを正確にヒットできなくなります。鏡などで自分のアドレスをチェックしてみましょう。


短く持っても体をしっかり回転
スイングはコンパクトでも、体の回転を使って振ることが大切なポイント。

調子が悪くなったら基本に戻る
7番アイアンを持ち、両足を揃えて打つ練習でスムーズな軸回転を思い出しましょう。
自宅でもできる、壁を使ったシャドースイング
クラブを持たないシャドースイングなら、自宅でもどこでもできます。腕をクロスさせるシャドースイングも効果的ですが、ここでは壁を背にして腕を振る方法を紹介しましょう。
まずお尻を壁に軽くつけてアドレスの前傾姿勢をつくります。両足のカカトは壁から少し離します。そしてお尻が壁から一度も離れないように腕を振りましょう。バックスイングでは右のお尻を、インパクトエリア以降は左のお尻を壁にしっかりつけておくように意識します。
お尻が前に出て壁から離れると上体が起きてしまいます。両手が壁に当たるのもいけません。前傾角度が変わりやすい人は、このシャドースイングが苦手です。違和感なくできるようになればスイングのバランスが良くなった証拠です。実際にボールを打つ時も、この感覚を大事にしましょう。
壁を背にしてアドレスをつくる
壁の代わりに柱を利用してもOK。いつでもどこでもできる効果的な練習法です。


スイングに緩みがなくなる
お尻を固定する感覚は、下半身の緩みやルーズな動きを封じ込めてくれます。結果としてスイングに締まった感覚が生まれます。
スイング中、お尻が壁から一度も離れない
お尻が壁から離れないように腕を振る練習で、アドレスの前傾角度をキープしてスイングする感覚をつかみましょう。

悪い例
お尻が壁から離れると前傾角度を保てなくなってしまいます。実際のスイングでもそんな動きになってしまうゴルファーが多く見られます。
ハーフショットの練習は、特に初心者は上達のスピードが上がり、しかもラウンドでもさくさく進めるようになるので、おすすめです。
基本のスイングをハーフショット練習でぜひ磨いていきましょう。
SHARE
PROFILE

EVEN 編集部
スタイリッシュでアスリートなゴルファーのためにつくられたマガジン。最旬のゴルフファッション、ギア、レッスン、海外ゴルフトリップまで、独自目線でゴルフの魅力をお届け。
スタイリッシュでアスリートなゴルファーのためにつくられたマガジン。最旬のゴルフファッション、ギア、レッスン、海外ゴルフトリップまで、独自目線でゴルフの魅力をお届け。