キャンプ料理の達人が教えてくれる9つの使える小技と激ウマレシピ
フィールドライフ 編集部
- 2019年12月16日
外ごはんはキャンプの醍醐味。もっと効率よく、もっとおいしく作りたい!そう願ってやまないみなさんのために、アウトドアコーディネーターの小雀陣二さんがキャンプ料理に役立つ小技を教えてくれました。ビギナーでも簡単に作れる絶品レシピも必見です。
教えてくれた人
小雀陣二(こすずめ・じゅんじ)さん
“こすずめ”だから愛称チュンチュン。キャンプで作る簡単、おいしい料理を提案する、フィールドライフの料理番長。『お手軽アウトドア燻製レシピ』やPEAKSの連載をまとめた1冊『山グルメ』(枻出版社)が好評発売中!神奈川県三崎のお店「雀家」は週末営業中!
キャンプ料理に役立つ9つの小技
調理の素早さだけでなく、いかに“使える小技”をうまく取り入れるか。これがキャンプ料理の効率をアップするカギ。小雀さんが長年かけて培ってきた、スムーズかつスピーディな調理に役立つ9つの小技をご紹介します。
自宅の下ごしらえで現地ラクラク
使い慣れた自宅のキッチンである程度の下ごしらえをしておけば、現地の作業時間はかなり短縮されます。おもな作業は食材のカットや肉の漬け込み、合わせ調味料作りなど。おのずと洗い物の回数もそれだけ減り、撤収作業もスムーズに行なうことができます。
食材の保冷は方法いろいろ
秋や冬のキャンプは食材の傷みにさほど注意を払う必要はありませんが、気温が上がる春以降は食材の保冷が欠かせません。オーソドックスなのはアウトドアブランドや釣りメーカーの保冷剤を用いる方法で、保冷力は抜群。
手軽なのはペットボトルの水や食材そのものを凍らせる方法。
「気温が高い夏場はハードクーラーのなかにソフトクーラーを入れ、ダブルで保冷すると長持ちします!あまり知られていませんが、使える裏ワザです」
現地買い出しは“〇〇やすい”がポイント
直売所やスーパーなど、現地の食材を取り入れるのはキャンプ料理の醍醐味!ここにもいくつか調理を時短できる買い出しのポイントが。
「皮をむく、下ゆでする……などが必要ない、“切るだけですぐに調理しやすい”ものが便利。キノコ類はその代表で、そのまま調理に回せるトマトやピーマンなどもスピーディですね。また“作業工程を減らしやすい”ものも積極的に採用します。むきエビや切り身の魚、市販のソースなどがその一例」
食材は最初にすべて切っておくと早い
レシピが変わるたびに切ったり焼いたり和えたり……といった作業を個別に行なうのは、じつはあまり効率がよくありません。時間がない場合は、最初にすべてのレシピの「切る」を済ませておくだけでも調理のスピードは格段によくなります。バットやボウルなどを潤沢に揃えておきましょう。
炭火おこしは作業の一番最初
材料が整ってから炭に火を熾していたのでは、大きな時間のロス。炭への着火は調理スペースが整った段階で一番最初に済ませておきましょう。
「炭を積み上げるなど、遊び感覚で火が熾せるので、お母さんが下ごしらえをしている間にお父さんとお子さんが担当してもよいですね」
調理小物は手が届きやすい位置に
使いやすさを追求した小雀さんのアウトドアキッチン。些細なことですが、作業テーブルで便利なのが菜箸やターナーを一時的に挿しておけるステンレス製の筒。パッと手にし、使い終わったら戻す……という直感的な動きにつながります。ツーバーナーの風防にかけたトングも同様。
調味料は小分けして可視化
調味料ボックスをのぞくと、類似の形をした小型ケースがズラリ。用途は基本調味料やオイル、スパイスなど。
「市販のままの小袋や、瓶、ラベルの付いたプラスチック容器などは収納方法がバラバラ。ボックス内が乱雑になるし、探す手間も増えます。よく見える状態で小分けを!」
折り畳み式の小型ベンチを多用
道具を直接地面に置かない、ものや食材の出し入れでいちいち腰を屈めない……などの理由から、小雀さんは用途の多い折り畳み式のベンチを常時車に積んでいます。キャンプの人数が増えたときは本来のベンチとしての使い方もでき、夜は焚き火まわりでも重宝します。
後片づけはシリコンスクレーパーとお湯を用意しよう
後片づけの素早さこそ、達人の腕の見せどころ。小雀さんのキッチンでは常時ケトルが炭火やツーバーナーにかかりお湯が沸いた状態で、炊事場が水しか出ない状況でもサッと油汚れを落とすことができます。あると便利なシリコンスクレーパーやクロスなど、忘れがちな「食後」の準備も怠らずに。
小雀さん直伝!ビギナーでも簡単キャンプ料理レシピ
キャンプ料理を効率化する小技を覚えたら、いよいよ実践!家庭の2口ガスコンロのように使えるツーバーナーで、ごはん作りにチャレンジしましょう。小雀さん直伝の3品は手順が少なく、ビギナーでも簡単においしく作れますよ。
エビとズッキーニのアヒージョ
ニンニクの旨みが溶け出した熱々のオリーブオイルでシーフードを煮込む定番スペイン料理。鋳鉄製のスキレットを用いて保温時間を長めに確保するのがポイント。夜は身体を温め、オイルの脂質には代謝を高める効果も!バゲットを添えてどうぞ。
材料
・エビ……10尾(むきエビも可)
・ズッキーニ……1本
・マッシュルーム……14個
・イタリアンパセリ……3本
・トウガラシ……2本
・ニンニク……5かけ
・オリーブオイル……適宜
・あら塩……適宜
・ブラックペッパー……適量
・バゲット……適量
作り方
1. ズッキーニはヘタを取り縦横4等分にカットし、マッシュルームといっしょにボウルに入れ、塩をまんべんなく振ってなじませる。エビは皮を剥いて背わたを取り、塩を振ってなじませておく。
2. スキレットにオリーブオイルを半量満たし、ズッキー二、皮ごとのニンニク、トウガラシを加えて並べ、続いてマッシュルーム、エビの順で並べ中火で熱する。
3. エビが赤白くっきり色づき火が通ったらブラックペッパーを振り、イタリアンパセリを散らせばできあがり。バゲットを添えてオイルをしみ込ませながら食べよう!また残りのオイルにゆでたパスタを入れてもおいしい!
簡単タイ風焼きそば
ワンポットでできるアジア風焼きそば。麺はタイ食材のパッタイを焼きそばの麺で代用して手軽に。全食材をダッチオーブンに放り込み、中火でゆっくり蒸し焼きにするだけで、夏のキャンプにピッタリなアジアの味が完成!
材料
・焼きそば麺……4玉
・エビ……10尾
・ニラ……1/2束
・モヤシ……1袋
・ナンプラー……大さじ2
・オイスターソース……大さじ2
・とうがらし……ひとつまみ
・お酒……大さじ2
・ライム……1/2個
・ピーナッツ……15個
・パクチー……たっぷり
作り方
1. エビは皮をむいて背わたを取って洗い、全体に塩を振る。モヤシは洗って水を切る。ニラは6cmくらいにカットする。
2. ダッチオーブンにナンプラー、オイスターソース、お酒を入れてエビを並べ、モヤシ、焼きそば麺、ニラの順に入れてフタをする。
3. 中火で熱し蒸し焼きにし、途中湯気が噴き出てきたらフタを開け、モヤシがしんなり、麺が瑞々しくなっていたら全体をかき混ぜてほぐす。
4. 味をみて必要ならナンプラー、オイスターソースを追加し、ライムを搾って刻んだピーナッツ、パクチーを振りかければできあがり!
牛ロース肉のしゃぶしゃぶサラダ
柔らかく、さっぱりとした味わいの牛ロースを主役にした、サラダタイプのピリ辛しゃぶしゃぶ。ちょっと奮発していいお肉を食べるのもキャンプ料理の楽しみ方。サッとお湯にくぐらせて、霜降りの高級部位を堪能しましょう。
材料
・牛ロース肉……300g
・お好みのレタスなど……適宜
・レモン……1個
【ソース】
・ケチャップ……大さじ1
・ビネガー……小さじ1
・ブラックペッパー……適宜
・タバスコ……お好みで
・あら塩……お好みで
作り方
1. 鍋にお湯をたっぷり沸かし、肉をしゃぶしゃぶし、ザルなどにあげて冷ます。
2. 小さなボウルにソースの材料を入れてよく混ぜる。お好みでタバスコや塩を加える。
3. お好みのレタスなどの葉野菜をお皿に敷き詰めて肉を盛り、ソースをかければできあがり。ピリ辛なお肉をレタスといっしょに召し上がれ。
子雀さんの知恵と経験が詰まったキャンプ料理の小技やレシピを覚えておけば、自然の中で煮炊きする喜びを味わいつつ、外遊びの時間もしっかり確保できるはず。上手に取り入れて、キャンプをフルに楽しみましょう!
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PROFILE
フィールドライフ 編集部
2003年創刊のアウトドアフリーマガジン。アウトドアアクティビティを始めたいと思っている初心者層から、その魅力を知り尽くしたコア層まで、 あらゆるフィールドでの遊び方を紹介。
2003年創刊のアウトドアフリーマガジン。アウトドアアクティビティを始めたいと思っている初心者層から、その魅力を知り尽くしたコア層まで、 あらゆるフィールドでの遊び方を紹介。