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盛夏の楽園|霜田亮太のアングラーズファイル

日本では一年中、フライフィッシングを楽しむことができるが、夏の渓流はそれなりに厳しい。マスが好む水棲昆虫の数は減り、わずかに水面に落下してくる陸生昆虫が主食となる。そんなときは木々の覆い茂る源流域に棲む渓魚がターゲットとなる。

文・写真◎霜田亮太 Text & Photo by Ryota Shimoda
出典◎フィールドライフ 2018年秋号 No.61

今回のポイント:北関東源流域

栃木県と福島県の県境付近は、利根川や鬼怒川の源流域にあたり、ブナ林に囲まれた豊かな自然が残る。原生林と豊かな澄みきった川の水は、多くの生き物を育んでいる。

今回のターゲット:ヤマメ

神奈川県の酒匂川から北に生息するヤマメは、その容姿の美しさで多くの釣り人を魅了し続けてきた。年越しのヤマメは警戒心も強く、その難しさが魅力でもある。

今回の釣行レポート

日時

2018年8月上旬

天気

酷暑の続く今年の日本列島。それは、山あいの渓流も例外ではない。連日40度に迫る熱帯気候のような暑さのなか、渓流魚も少しでも水温の低い木陰や淵の奥底に身を潜め、たまに落ちてくる陸生昆虫を捕食し、暑さを凌いでいる。我々と同じように、いわば避難するかのように行動しているのだ。

そんな夏真っ盛りの8月初旬、北関東の山奥へ。飛沫をあげて水が流れる落差のある源流域では、川に降りたときに浴びる心地良いマイナスイオンによって、エアコンの効いた部屋に入ったような安堵感に包まれる。歩くだけで額から流れ落ちていた大量の汗が一気に引いていくのがわかるほどだ。10度を少し上回るくらいの水は火照った体を冷やすには十分。快適に釣りを楽しむことができる。

前日に降った大雨の影響で源流域も増水していた。

前日までの雨で多少は増水しているが、晴天続きで渇水気味だった川にはむしろ恵の雨かもしれない。迷わずに結んだのは、ピーコック(孔雀の羽)で巻いたフライ。イメージとしては小さなコガネムシ。夏のフライとしては鉄板で一日中このフライのみで通すこともある。小さな落差の続く落ち込みの際をていねいに叩いていくとイワナの反応がある。ただ、サイズが小さくてなかなかフライにはかからない。何度かポイントを変えながら川を遡っていくと、ようやく小さなイワナがヒットした。

水棲昆虫の少ない夏場はフライも限定される。小さな防水バッグひとつで事足りてしまう。
アリやコガネムシを模したフライをいくつか持っていればOK。

当日入った川は増水していたものの濁りはほとんどなく、魚もここぞというポイントではしっかりと反応してくれた。濁りが少ないということは、水源の山々には雨水をしっかりと蓄える原生林が残されている証拠だ。

ちなみに、ここ以外の下流域の支流群は真っ茶色に濁り、釣りどころではない状態だった。

8寸ほどだが精悍な顔つきの夏ヤマメ。木の下で落下してくる陸生昆虫をじっと待つ。

さて、釣り上がるうちに、少し開けている瀬にたどり着いた。川底にはちょうど良い大きさの岩が点在しており、魚の隠れ家としても申し分ない。そのど真ん中にフライを通すと、なにかが勢い良く飛沫をあげて、流れるフライに食らいついてきた。精悍な顔つきのヤマメだった。この川でヤマメはめずらしいが、天然魚の惚れ惚れするような姿にしばし見とれてしまう。数を釣るのも楽しいものだが、厳しい環境のなかで出合えた1匹もそれはそれで格別だ。

森が豊かであればあるほど、川に棲む生物も生き生きとしている。

霜田亮太

カヤックとフライフィッシングをライフワークとし、四季を通じて自然と触れ合い続ける。キャンプ料理も得意でソロからダッチオーブンまでレパートリーは多彩。横浜・関内の地中海料理とワインの店「Restaurant & Bar VAMONOS」オーナー。

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PROFILE

フィールドライフ 編集部

フィールドライフ 編集部

2003年創刊のアウトドアフリーマガジン。アウトドアアクティビティを始めたいと思っている初心者層から、その魅力を知り尽くしたコア層まで、 あらゆるフィールドでの遊び方を紹介。

フィールドライフ 編集部の記事一覧

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