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日本ロングボード紀行【奄美大島】

海に囲まれた日本列島には、日々、大海原からうねりが押し寄せる。豊かな海岸線、峻嶺な山々から注ぐ大河に恵まれ、さまざまな波を生み出している。四季折々、津々浦々で、今この瞬間も波が生まれては消えていく。そこには、その波をこよなく愛し、守り、慈しむサーファー達の姿がある。そう、日本は世界に誇るサーフアイランドなのだ。この連載では、ロングボードを切り口に、各地のサーファーコミュニティと彼らの地元の波への思いを伝えていきたい。

今回、足を運んだのは南西諸島の奄美大島。果たして、どんなサーファーと波が待っているだろうか?
◎出典: NALU(ナルー)no.120_2021年4月号

“東洋のガラパゴス”と称される、日本の南の楽園

「ネリヤカナヤ」という言葉がある。奄美大島、沖縄を含む南西諸島に、昔から伝授されている言葉で、遥か遠い海の彼方にある楽園、豊穣や幸福をもたらし魂が生まれ帰る場所という意味だ。

奄美大島は、ほぼ鹿児島市と沖縄島の中間に位置し、原始のままの色の濃い森が広がり、黒潮の恩恵を受けた太平洋と東シナ海に囲まれた亜熱帯の島である。雨が多く年間の日照時間が、日本一短いと言われている。原生の森には、生命力に溢れた自然が共存し、この島でしか見られない、固有種の動植物が多種多様に存在し「東洋のガラパゴス」と言われている。

▲メヒルギとオヒルギが折り重なり合ってできる植物群落マングローブ、酸素を生み出し多種多様な生物がここに住んでいる

▲写真上:森の中では自分より何百年も年上の樹木に逢うことができる。そしてガジュマルにはケンムンという精霊がいるという 写真下右:夏の間、アリューシャン列島やベーリング海で過ごしたザトウクジラが冬になると、交尾、出産、子育てのためにやってくる 写真下左:金色のサナギになる、オオゴマダラは「南国の貴婦人」とよばれている

そんな豊かな森に降った雨は、森の恵みを含みながら時間をかけてゆっくり海に流れ、色とりどりの素晴らしい珊瑚を形成している。島にいると、森と海はつながっているのだと実感することができ、力強い自然の息吹を身近に感じることができる。

▲森羅万象の賛歌 雄大な水の循環を想う

奄美大島の海は青く透明度が高く、波を待っている間も、サーフボードの上から、海底の珊瑚や泳いでいる魚が見え、たまに海亀やイルカにも遭うことができる。そして島特有の地形が、ビーチ、リーフ、コーラル、玉石、リバーマウスと多彩なサーフポイントを生み出している。

▲青い空、白い砂、輝くような波、自然の営みを美しくみることができる

▲旅してきたうねりは浅い棚で波となって美しい空間を造り儚く消えていく

特に夏の台風と、冬の西高東低の気圧配置の波は、ここ奄美大島に力強いうねりを届けてくれサーファー達を喜ばしてくれる。もちろん海に囲まれた島なので、探せば誰もいない波を探すことができるかもしれないが、最低限のルールを守り、島のサーフショップを訪ねるか、ローカルサーファーにコンタクトを取ってほしい。見た目ではわからない海底の様子や、潮の流れがあり、危険生物もいるので注意してもらいたい。また島の人々、おじいや、おばあと話をすると、島人の結(ゆい)の精神にふれ、包まれるような人々の懐の奥深さを感じることができて、心があたたまる気持ちになれる。

▲広大な太平洋の沖から旅してくる台風のうねりは波長が大きく、大波乗りたちを喜ばしてくれる

▲台風のうねりを超えたクラッシックシングルフィン、大きな波には重くて長い板があう

最近の気候変動や、沖での採砂作業のため、海岸の砂がなくなってきている。自然災害をなくすために、消波ブロックなど人工物を投入したり、護岸工事をしてコンクリートだらけにするなど、自然のサイクルに矛盾する計画が、ここ奄美大島でも多く進められている。そのひとつに嘉徳という、原始のままの河口と美しい砂浜で広がる唯一無二の場所がある。ここでしか見られない動植物が生息し、自然のままの浜辺は日本でも数えるほどしかないという。

▲生命力の強さを感じる赤いマクロの世界

▲濃紺の夜空が赤い朝空に変わろうとする時間、刻一刻と移り変わる空の色に見とれていると、亜熱帯の植物の香りがただよってきた

今ここを守ろうという運動が、島を愛する人達を中心に起きている。自然を壊すのは一瞬だが、元に戻すことは難しい。この素晴らしい自然を、未来の子供達のためにも、残していきたいというのがみんなの願いだ。(嘉徳を守る運動についての詳細はこちらを。https://amamiworldheritage.org

▲自然のリズムに寄り添い波の上で自分自身を自由に表現する、全てはここに凝縮される

▲夏の島は夕方の陽が長く、斜光の優しい光が全てのものを美しく包み込んでくれる

島での行事は旧暦で行われ五穀豊穣、無病息災を祈願する「八月踊り」などのいろいろなお祭りが各集落で催される。その様子は古き良き時代の日本を見ているようで懐かしい感覚になる。その季節に島に訪れて、島の人に誘われてお祭りや行事に行くのも楽しみのひとつ。波だけでなく、素潜り、マングローブ探検、泥染め体験……この島でしかない文化や自然がたくさんあるので、是非体験してもらいたい。日本の良さをまた再発見することができる気がする。

▲奄美三味、チヂン、島唄、八月踊り……古き良き日本がまだここにはある

▲手間暇かけて織られる大島紬は約1300年もの歴史があり世界三大織物と呼ばれている

出典

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NALU 編集部

NALU 編集部

テーマは「THE ART OF SURFING」。波との出会いは一期一会。そんな儚くも美しい波を心から愛するサーファーたちの、心揺さぶる会心のフォトが満載のサーフマガジン。

NALU 編集部の記事一覧

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