旅の準備~カムとヌンチャクのメンテナンス~|筆とまなざし#344
成瀬洋平
- 2023年09月13日
カムとヌンチャクの動作の確認と、回転防止ゴムの交換。
出発まであと1週間あるが、明日から講習や研修で小川山に行くため、早々にギアのメンテナンスをした。今回のトリップに持っていくギアはカム3セットにプラスα。大きなカム(キャメロット#5、#6)はふたつずつしかないのでこちらは2セット。加えてマイクロカムとナッツ。ヌンチャクはそれぞれ15本程度。マルチを登るギアも携行する。
メンテナンスは主にカムとヌンチャクである。ゲートに不具合がないか、スリングは大丈夫か、そしてカムが滑らかに動くかどうかの確認だ。ヌンチャクとカムはブラシで埃を落とし、「KURE 5-56」を吹きかけて回転を滑らかにする。そしてカムのスリング部分に回転防止の細工をする。この部分が結構大切なポイントである。
ヌンチャクの場合、クリップ側のカラビナには回転防止のためにゴム製のストリングを装着するのが一般的である。カムの場合もこれを取り付けておかないといざというときにカラビナがひっくり返ってクリップしにくく大変な思いをすることになる。けれど、市販のものだとヌンチャクなどを使ってランナーを伸ばす場合、ゴムの部分に直接テンションがかかりストリングが切れてしまいがちである。
以前は市販のストリングを使っていたが、最近はゴムの輪っかを使っている。これだとゴムの輪っかと延長用のカラビナが干渉しないため、フォールした際に輪っかが切れる心配が少ない。少し前までは水道用のパッキンを捻って使っていたが、細いしすぐに劣化してしまうため、いまは自転車のタイヤのチューブを輪っか状に切って使っている。チューブは近所の自転車屋さんに行ってパンクしたものをタダで譲ってもらった。いまでも人情味のある自転車屋さんがあることがうれしかった。今日のメンテナンスでは岩場で切れてテーピングで応急処置をしたものや古くてちぎれそうなものを交換。これで万全である。
4セット近いカムとヌンチャク30本くらいをメンテナンスするのはなかなか大変だが、彼の地でのクライミングを思い浮かべながら準備をするのは楽しい時間でもある。さて、今年はどんな旅になるだろうか。少しずつ実感が湧いてきた。
SHARE