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ジロ・デ・イタリア|マリアローザがクルマでコースを移動⁉ 選手の抗議でコース短縮! チェルニーが逃げ切り勝ち!|第19ステージ

イタリアで開催中のジロ・デ・イタリア2020の第19ステージは23日、予定のコースを短縮してアッビアテグラッソからアスティまでの124.5kmのコースで行われ、個人TTのチェコ選手権チャンピオンのヨセフ・チェルニー(CCCチーム)が終盤に逃げグループから飛び出して独走でステージ優勝した。個人総合争いに変動はなかった。

出場選手のドーピング陽性、コース短縮。レース前に慌ただしい動き

この日はレース前に大きなニュースが2つ飛び込んできた。

ひとつは出場選手のドーピング陽性。UCI(国際自転車競技連盟)は22日、ヴィーニザブKTMのマッテオ・スプレアフィコがジロ・デ・イタリア開催中の15日と16日に実施されたドーピング検査で禁止薬物エノボサルム(オスタリン)の陽性反応を示したことを明らかにし、暫定的な出場停止処分を科した。これを受け、同選手はジロを去ったが、B検体の分析を要求する権利がある。

エノボサルムはタンパク同化ステロイドの一種で、WADA(世界アンチドーピング機構)が禁止薬物に指定している。

もうひとつはコース短縮だ。第19ステージは当初、モルベーニョからアスティまでの253kmで行われる予定だった。レース最終週に今大会最長ステージというだけでも過酷だが、さらにこの日は強い雨が降るあいにくのコンディション。これを受けてスタート直前に複数の選手が「新型コロナウイルス感染症が拡大する中、悪天候の中で長時間走り続けることで選手の健康が心配される」旨を主催者側に伝えた。

レース前に両者の話し合いが持たれ、第19ステージはアッビアテグラッソからアスティまでの124.5kmに短縮して実施し、選手たちはチームバスやチームカーで新しいスタート地点に移動することになった。

この対応について、レースディレクターのマウロ・ベグニ氏は「非常に腹立たしい。この対応が問題解決のための正しい手段だったとは思わない」とコメントし、納得がいかない様子。一方の選手たちも前日のレース終了後に長時間移動を強いられた上に渋滞でホテルに入るのが遅れるなどして不満をくすぶらせていたようで、選手たちの強い抗議に主催者側が折れざるを得なかったというのが実情のようだ。

独走力のある選手のいる逃げグループをボーラ・ハンスグローエが追走

新しいスタート地点に移動し、仕切り直しとなったレース。当初のコースの128.5km地点のアッビアテグラッソからフィニッシュ地点までがこの日のコースになった。平坦基調でスプリンターたちにとっては最後の見せ場となるステージだが、距離が大幅に短縮されたことがどのような影響を与えるかも見ものだった。

レースはスタート直後にチェルニー、ヴィクトール・カンペナールツ(NTTプロサイクリング)、シモン・ペロー(アンドローニジョカトリ・シデルメク)の3人が飛び出し、そこに追走11人が合流し、14人の逃げグループが形成された。チェコ選手権の現TTチャンピオンのチェルニーやベルギー選手権やヨーロッパ選手権の個人TTを制したことのあるカンペナールツと独走力のある選手が逃げグループに乗ったため、距離が短縮されたことも踏まえると逃げ切りの可能性も十分ありうる展開になった。

これを嫌ったのが、このステージでペテル・サガンを勝たせたいボーラ・ハンスグローエ勢やポイント賞首位のアルノー・デマールを擁するグルパマFDJ勢。集団前方に位置どって逃げグループを追走し、一時は1分30秒ほどあったタイム差を35秒にまで縮めたが、個人総合上位選手を擁するチームの協力を得られず、タイム差がなかなか縮まらない。その後グルパマFDJが追走に協力するのをやめ、最終的にはボーラ・ハンスグローエだけが集団を引く形になってしまった。粘っていたボーラ・ハンスグローエもレース中盤にさしかかったところで追走のペースを緩めた。

これを機に逃げグループはタイム差をどんどん拡大。残り40kmほどになったあたりで、逃げグループとメイン集団とのタイム差は8分にまで広がった。

チェルニーがチェコのTTチャンピオンの実力を見せ、独走で勝利

逃げ集団では第2スプリント地点を前に動きが見られた。カンペナールツがアタックすると、チェルニーとペロー、サイモン・クラーク(EFプロサイクリング)らが同調し、新たに6人の先頭グループができた。この次点で先頭グループとメイン集団との差は10分に広がり、この先頭集団の逃げ切りが濃厚になった。

その後、残り22km地点でチェルニーが単独で逃げ始め、じわじわとタイム差を広げていく。残り15kmを切ったあたりで追走集団との差は40秒に開いた。チェルニーのリードはその後少しずつ減っていったが、残り2kmで19秒差を保ち、最後まで単独で逃げ切った。2位には18秒差でカンペナールツが入った。

この日は個人総合上位陣は同一集団でフィニッシュ。順位やタイム差に変動はなかった。

ジロ・デ・イタリア2020第19ステージ 結果

ステージ結果

1 ヨセフ・チェルニー(CCCチーム)
2 ヴィクトール・カンペナールツ(NTTプロサイクリング) +18秒
3 ジャコポ・モスカ(トレック・セガフレード) +26秒
4 サイモン・クラーク(EFプロサイクリング)
5 イーリョ・ケイセ(ドゥクーニンク・クイックステップ)
6 サンデル・アルメ(ロット・スーダル)

マリアローザ(個人総合成績)

1 ウィルコ・ケルデルマン(サンウェブ)
2 ジェイ・ヒンドレー(サンウェブ) +12秒
3 テイオ・ゲイガンハート(イネオス・グレナディアス) +15秒
4 ペリョ・ビルバオ(バーレーン・マクラーレン) +1分19秒
5 ホアン・アルメイダ(ドゥクーニンク・クイックステップ) +2分16秒
6 ヤコブ・フルサン(アスタナ) +3分59秒

マリアチクラミーノ(ポイント賞)

アルノー・デマール(グルパマFDJ)

マリアアッズーラ(山岳賞)

ルーベン・ゲレイロ(EFプロサイクリング)

マリアビアンカ(ヤングライダー賞)

ジェイ・ヒンドレー(サンウェブ)

チーム総合成績

イネオス・グレナディアス

第19ステージのルート

ジロ・デ・イタリア出場選手リストはコチラから。

「ジロ・デ・イタリア出場選手リスト」

大会公式サイト
www.giroditalia.it 

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Bicycle Club編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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