ブエルタ・ア・エスパーニャ|若手フィリプセンが230kmの最長ステージで念願の勝利|第15ステージ
Bicycle Club編集部
- 2020年11月06日
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スペインで開催中のブエルタ・ア・エスパーニャ2020は5日、第15ステージがモスからプエブラ・デ・サナブリアまでの230.8kmのコースで行われ、ジャスパー・フィリプセン(UAEチームエミレーツ)が上りスプリントを制してグランツール初勝利を挙げた。個人総合上位陣に変動はなかった一方、ギヨーム・マルタン(コフィディス)が早々に山岳賞の首位を確定させた。
今大会最長の230.8kmに5つのカテゴリー山岳を含む厳しいステージ
第15ステージは新型コロナウイルス感染症拡大によって当初予定されていたポルトガルでの平坦コースから変更され、スペイン国内で5つのカテゴリー山岳を越える丘陵コースで行われることになった。230.8kmという距離は今大会最長で、獲得標高もおよそ4000mと、ここまで2週間レースを戦い続けてきた選手たちには厳しいコースだ。
レースは序盤から逃げを試みる選手がアタックを繰り広げるが、決定的な動きはなかなか見られないまま最初の3級山岳に大集団のまま到達。KOMを先頭通過したのは、山岳賞争いで独走するマルタンだった。
60km地点を前に、ようやくマティア・カッタネオ(ドゥクーニンク・クイックステップ)やルイ・コスタ(モビスター)ら10人がメイン集団から飛び出し、2つめの3級山岳にさしかかるころにマルタンを含む3人が逃げグループに合流。ようやく逃げが容認されてレースが落ち着いた。
マルタンが山岳賞ポイントを荒稼ぎ。山岳賞を早々に確定
Unipublic/CharlyLopez
逃げグループでは、カテゴリー山脈でマルタンが積極的な動きを見せた。マルタンは続く3つの3級山岳を立て続けに先頭で通過。山岳賞ポイントのさらなる上積みに成功した。
マルタンは最後の3級山岳も3位で通過してさらにポイントを追加し、この日だけで13ポイントを獲得。2位以下の選手にポイントを逆転される可能性がなくなったため、最終日のマドリードまで完走さえすれば山岳賞を手にすることが確定した。
メイン集団が逃げグループを猛追し、レースは振り出しに
メイン集団と逃げグループとのタイム差は、レース中盤には5分以上あったが、ボーラ・ハンスグローエやトレック・セガフレード、モビスターなどがメイン集団を牽引し、タイム差が次第に詰まってくる。レース中盤以降は強い向かい風が吹き、時折雨もぱらつき、気温も下がって選手たちを苦しめた。
逃げグループでは残り30km手前で逃げ切りを目指す動きが始まってグループが崩壊。最終的にカッタネオが単独で逃げだし、これを数人が追う展開となる。
残り20kmでジーノー・マーダー(NTTプロサイクリング)がメイン集団から単独で飛び出して逃げグループの追走を始め、一気に追走グループを追い抜いてカッタネオを追う動きを見せたが失敗に終わる。追走グループとともに残り10kmを切ったところでメイン集団に吸収された。
一方、単独で逃げ続け、粘っていたカッタネオも残り4kmを切ったところでメイン集団に吸収され、レースは振り出しに戻った。
混戦の上りスプリントをフィリプセンが制する
この日のフィニッシュ地点はラスト1kmから平均勾配5%の上りをこなした後にあり、フィニッシュゲート直前はコーナーが連続するため、残り3km地点付近から集団前方で各チームによる激しい位置取り争いが繰り広げられた。
残り200mでフィリプセンが猛烈な加速で先頭に立つと、パスカル・アッカーマン(ボーラ・ハンスグローエ)とヤニック・シュタイムレ(ドゥクーニンク・クイックステップ)が並びかけるが、フィリプセンがインを抑えて最短距離で駆け抜け、最後は追いすがる2人を抑えて先頭でフィニッシュラインを通過。第4ステージで2位となり、悔しい思いをしていたフィリプセンがついにグランツール初勝利を挙げた。
なお、この日のレースでは残り2km地点の道路脇に油が浮いていたことを受け、事故防止のため残り3km地点でのタイム差を総合成績に反映させる措置がとられた。このため、ステージ84位までの先頭集団にいた選手は、フィリプセンのフィニッシュタイムと同タイム扱いになった。個人総合上位陣はこの集団内で走っていたため、この日個人総合の上位陣のタイム差に変動はなかった。
ダイジェスト動画
ブエルタ・ア・エスパーニャ2020 第15ステージ 結果
ステージ結果
1 ジャスパー・フィリプセン(UAEチームエミレーツ)
2 パスカル・アッカーマン(ボーラ・ハンスグローエ)
3 ヤニック・シュタイムレ(ドゥクーニンク・クイックステップ)
4 フレッド・ライト(バーレーン・マクラーレン)
5 ディオン・スミス(ミッチェルトン・スコット)
6 レイナルト・ヤンセファンレンズバーグ(NTTプロサイクリング)
マイヨロホ(個人総合成績)
1 プリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィズマ)
2 リチャル・カラパス(イネオス・グレナディアス) +39秒
3 ヒュー・カーシー(EFプロサイクリング) +47秒
4 ダニエル・マーティン(イスラエル・スタートアップネイション) +1分42秒
5 エンリク・マス(モビスター) +3分23秒
6 ワウト・プールス(バーレーン・マクラーレン) +6分15秒
ポイント賞
プリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィズマ)
山岳賞
ギヨーム・マルタン(コフィディス)
ヤングライダー賞
エンリク・マス(モビスター)
チーム総合成績
モビスター
敢闘賞
ギヨーム・マルタン(コフィディス)
第15ステージのルート
ブエルタ・ア・エスパーニャ出場選手リストはコチラから。
ブエルタ・ア・エスパーニャ公式WEBサイト
www.lavuelta.com
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- CREDIT :
- TEXT:浅野真則 PHOTO:PHOTOGOMEZSPORT,Unipublic/CharlyLopez
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