BIANCHI/SPECIALISSMA DISC【日本バイシクル・オブ・ ザ・イヤー2022】
Bicycle Club編集部
- 2022年01月21日
「日本バイシクル・オブ・ザ・イヤー2022」にノミネートされたBIANCHI/SPECIALISSMA DISC。
その概要と選考委員浅野真則、吉本 司によるインプレッションをレポートする。
空力性能も向上させオールラウンダーに進化した
ビアンキ・スペシャリッシマ ディスク
ビアンキの軽量レーシングロード・スペシャリッシマがディスクブレーキ専用設計となり、オールラウンドレーサーに生まれ変わった。
マテリアル・サイエンス社と共同開発した振動吸収素材・カウンターヴェイルをフレームやフォークのカーボンの積層内に入れ込むビアンキCVシステムを採用。独自のカーボン繊維構造と粘弾性を持つ同素材により、フレームとフォークの剛性と強度を向上させつつ最大80%の振動を除去することを可能にし、レーシングフレームでありながら高い快適性を実現。
フレーム重量はディスクブレーキモデルながら750gと、リムブレーキモデルと遜色ない軽さを誇る。ケーブルはフル内装、シートクランプも内装となり、空力性能も向上している。
2021年はUCIプロチーム・バイクエクスチェンジに供給され、サイモン・イェーツがジロ・デ・イタリア3位、ツアー・オブ・ジ・アルプス優勝など結果を残している。
ビアンキ・スペシャリッシマ ディスク
価格:113万3000円(シマノ・アルテグラDI2完成車)、66万円(フレームセット)
●フレーム:スペシャリッシマディスクカーボン ●フォーク:ビアンキフルカーボン ●コンポーネント:シマノ・アルテグラDI2 ●ホイール:フルクラム・レーシング400 ●タイヤ:ピレリ・Pゼロレース 700×26C ●サイズ:47、50、53、55、57 ●試乗車実測重量(ペダルレス):7.56kg
問:サイクルヨーロッパジャパン
www.japan.bianchi.com
軽量レーシングバイクとして高い完成度。カラーオーダーもできる
浅野真則
ケーブルのフル内装を実現するなどエアロ要素も取り入れつつ、ポジション調整の容易さも確保していて好感がもてる。レース用機材はポジションがシビアに出せてナンボだからだ。走行性能は申し分なく、フレーム重量750gながら剛性も必要十分。カーボンフレームに積層された衝撃吸収素材カウンターヴェイルのおかげで、乗り心地もレーシングバイクとしては抜群にいい。総合的な走行性能に関しては、軽量レーシングバイクというカテゴリーではトップレベルなのは間違いない。個人的にはカラーオーダーにも対応している点を評価したい。
浅野真則
専門誌やウェブでの原稿執筆のかたわら、Jエリートツアーやヒルクライム、タイムトライアルなどのレースに出場する業界随一の武闘派。インプレや実走ルポなどの“走る取材” やトレーニング系の記事が得意分野。ロードバイクは軽さも空力も正義だと思う。
バイクが己の手足になって走れるような一体感がある
吉本 司
スペシャリッシマはリムブレーキの前作から高く評価してきた。その美点である超絶なバランスのよさはディスクになっても変わらない。速度・負荷域を問わずペダリングは軽く、平地から上りまでよどみなく、そして鋭くスピードが上がってゆく。特に上りの軽さは目を見張るものがある。ハンドリングもイタ車らしい俊敏さだ。こうした非常に高い運動性能を備えるのだが、ペダリング、ハンドリング、乗り心地のすべてがライダーに対して緊張感を強いることなく、バイクが己の手足になって意のままに走れるような“ファン・トゥ・ライド” な1台だ。
吉本 司
自転車専門誌「サイクルスポーツ」前編集長として、2019年に同誌の大刷新を敢行。現在はフリーの自転車ジャーナリストとして活動している。ロードバイクを軸足とするが、自転車歴37年の経験を基に車種や遊び方を問わず幅広い知識を有する。
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PROFILE
Bicycle Club編集部
ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
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