Gトーマスとログリッチのタイム差は26秒でTTへ、ブイトラゴがステージ優勝|ジロ・デ・イタリア
Bicycle Club編集部
- 2023年05月27日
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ジロ・デ・イタリアの第19ステージが現地5月26日に行われ、サンティアゴ・ブイトラゴ(バーレーン・ヴィクトリアス、コロンビア)が優勝を飾った。序盤に15人の逃げが形成されたものの、数々の厳しい山を前に多くの選手が脱落。最後はブイトラゴとデレク・ジー(イスラエル・プレミアテック、カナダ)の一騎打ちになり、ブイトラゴが勝利を引き寄せた。
一方の総合勢。ゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)はプリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ、スロベニア)から3秒遅れてフィニッシュ。マリア・ローザをキープして、第20ステージに臨む。
山岳決戦、難易度星5のクイーンステージ
総合争い3連戦2日目となる第19ステージは、ロンガロネ~トレ・チーメ・ディ・ラヴァレドまでの183km。難易度星5のクイーンステージだ。
スタート直後から上り基調。残り100km強に設定された2級パッソ・カンポロンゴ(登坂距離3.9km、平均勾配7%)を皮切りに、1級山岳パッソ・ヴァルパローラ(14.1km、5.6%、)、1級パッソ・ジャウ(9.9km、9.3%)、2級パッソ・トレ・クロチ(7.9km、7.2%、12%)と連続して山岳が登場。最後は今大会のチーマ・コッピ(最高標高地点)1級トレ・チーメ・ディ・ラヴァレド(7.2km、7.6%)を上り切ってフィニッシュする。
なお、元々今大会のチーマ・コッピは第13ステージに設置されていたが、悪天候のためコース変更。第19ステージに移動した。
アタック合戦の末、15人の逃げ
この日もスタート直後からアタック合戦がスタート。集団はアタックと吸収を繰り返す。
結果、パッソ・カンポロンゴの前で、ブイトラゴ、ジー、アレックス・ボーダン(フランス)、ニコラ・プロドム(フランス)、ローレンス・ワーバス(すべてアージェードゥーゼール・シトロエン チーム、アメリカ)、ステファノ・オルダーニ(アルペシン・ドゥクーニンク、イタリア)、ワジム・プロンスキー(アスタナ・カザクスタン チーム、カザフスタン)、パトリック・コンラッド(ボーラ・ハンスグローエ、オーストリア)、マグナス・コルト(EFエデュケーション・イージーポスト、デンマーク)、ダヴィデ・ガッブロ(グリーンプロジェクト・バルディアーニCSF・ファイザネ、イタリア)、ヴェリコ・ストイニッチ(チーム コラテック・セッレイタリア、セルビア)、マイケル・ヘップバーン(チーム ジェイコ・アルウラー、オーストラリア)が逃げに乗ることに成功。
さらに、マッティア・バイス(エオーロ・コメタ、イタリア)、ホセ・ロハス(スペイン)、カルロス・ベローナ(ともにモビスター チーム、スペイン)の3人が先頭に追い付き、逃げは15人となった。メイン集団は、イネオス・グレナディアーズがコントロール。この逃げを容認した。
ただ、そのメイン集団で山岳ジャージ争いが起こる。ベン・ヒーリー(EFエデュケーション・イージーポスト、アイルランド)がアタックしたのだ。しかし、ティボー・ピノ(グルパマ・エフデジ、フランス)はすかさずチェック。ヒーリーが逃げに乗ることを許さなかった。
結局、パッソ・カンポロンゴの山頂は、先頭15人とメイン集団の構図で過ぎていった。
難関山岳を前に絞られる先頭
落ち着いてレースが推移する中、動きが出たのは残り46km。パッソ・ジャウの上りでベローナがアタックする。反応できたのはブイトラゴとジー、さらにヘップバーン、ニールセン。パッソ・ジャウの山頂も5人で通過する。
しかし、下りではプロンスキー、プロドム、オルダーニ、ガッブロ、コンラッド、ワーバスがジョインに成功。逃げは10人となった。山は残り2つ。まだまだ勝負はわからない。
パッソ・トレ・クロチの上りも10人の逃げで突入。一方のメイン集団はイネオスがタイム差6分程でコントロールしていた。
次に先頭で動きが出たのは20km、ワーバスが先行する。しかし、18kmではブイトラゴとニールセンが連携し、17kmでワーバスをキャッチ。そのままワーバスを置いていく。同時に、ジー、さらに少し遅れてヘップバーンも合流。先頭は4人になる。
先頭はトレ・チーメ・ディ・ラヴァレドで
いよいよ最後の山岳トレ・チーメ・ディ・ラヴァレドに突入。先頭4人とメイン集団の構図は変わらず、優勝は先頭4人に絞られた。残り6km、攻撃を仕掛けたのはジー。この動きに反応できたのは、ブイトラゴのみだった。残り3kmを切ってもジー、ブイトラゴの順は変わらなかったが徐々にその距離が縮まっていった。
1.6km、ブイトラゴがとうとうジーをキャッチ。そのままジーを置き去りにし一気に加速した。ブイトラゴはそのまま快調にトレ・チーメ・ディ・ラヴァレドを上り、フィニッシュラインをトップで通過。ステージ優勝を手にした。昨シーズンのジロでもステージ優勝を挙げたブイトラゴは現在23歳。将来が楽しみになる走りを見せてくれた。
総合はトーマスvsログリッチの熱き戦い
一方、後方ではイネオスとユンボが戦いを繰り広げていた。
残り6km、イネオスはトーマス、テイメン・アレンスマン(オランダ)、ローレンス・デプルス(ベルギー)。ユンボはログリッチ、セップ・クス(アメリカ)、ローハン・デニス(オーストラリア)とそれぞれ3人を残していた。
4.5km、最初に仕掛けたのはイネオス。アレンスマンがトーマスのためにアタックする。ただこの動きにはトーマスはもちろん、ログリッチやクス、ジョアン・アルメイダ(UAEチームエミレーツ、ポルトガル)、エディ・ダンバー(チーム ジェイコ・アルウラー、アイルランド)、ダミアーノ・カルーゾ(バーレーン・ヴィクトリアス、イタリア)、ティボー・ピノ(グルパマ・エフデジ、フランス)といった総合勢もついていく。一方、デプルスは一度下がったものの、再び集団へ戻っていた。
イネオスはトーマス含めこの時点でも3人、ユンボはログリッチとクス、そのほかは単独。枚数的にはイネオスが一歩リードしていた。
残り2km、デプルスが仕事を終え、トーマスの引きはアレンスマンに交代する。しかし、ここでもログリッチ、クス、アルメイダ、ダンバーはピタリと後ろについていた。前日終了時点でマリア・ローザのトーマスから3位のアルメイダまでタイム差は39秒。3人はここまで脱落することなく残っていた。
約1km、最初に仕掛けたのはアルメイダ。だが、後ろにはトーマスとログリッチがぴたりとつく。そして次に動いたのはログリッチ。鋭いアタックで先行する。ついていけたのはトーマス。アルメイダはやや離れてしまう。
そして今度はトーマス。ログリッチほどの鋭さはなかったが攻撃をしかけ先行。ログリッチを引き離したかに見えた。だが、ログリッチは直後スプリントを開始。トーマスを3秒上回りフィニッシュラインを通過した。
第19ステージは、優勝がブイトラゴ、2位がジー、3位が逃げに入っていたコルト。そして4位がログリッチ、5位がトーマス。ログリッチはボーナスポイント獲得まではならなかった。一方アルメイダはこの日、2人からタイムを失った。
運命の個人タイムトライアル
第20ステージは18.6kmの個人タイムトライアル。とはいえただのタイムトライアルではなく、レース後半に距離7.3km、平均勾配12.1%のモンテ・ルッサリを上る山岳タイムトライアルだ。明日はアシストの力は関係ない。総合勢のガチンコ勝負だ。
ステージ優勝 サンティアゴ・ブイトラゴ コメント
「今日は逃げに乗るために力を尽くしたので、うれしい。これほどのお客さんの前で勝てたことは特別だよ。チームとしても2勝目の勝利になってうれしいよ」
個人総合時間賞 ゲラント・トーマス コメント
「今日は標高が高く、難しい1日になった。ラスト1kmで攻撃をしたけれど、ログリッチが上手くついてきて、2、3秒タイムを失ってしまった。明日は観る方は楽しいだろうけど、実際走る側からすると恐ろしくなるよ」
ジロ・デ・イタリア2023 第17ステージ結果
ステージ結果
1 サンティアゴ・ブイトラゴ(バーレーン・ヴィクトリアス、コロンビア)5:28’07”
2 デレク・ジー(イスラエル・プレミアテック、カナダ)+51”
3 マグナス・コルト(EFエデュケーション・イージーポスト、デンマーク)+1’46”
4 プリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ、スロベニア)ST
5 ゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)+1’49”
6 ジョアン・アルメイダ(UAEチームエミレーツ、ポルトガル)+2’09”
7 ダミアーノ・カルーゾ(バーレーン・ヴィクトリアス、イタリア)ST
8 テイメン・アレンスマン(イネオス・グレナディアーズ、オランダ)
9 ティボー・ピノ(グルパマ・エフデジ、フランス)+2’16”
10 エイネルアウグスト・ルビオ(モビスター チーム、コロンビア)+2’26”
個人総合時間賞(マリア・ローザ)
1 ゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)81:55’47”
2 プリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ、スロベニア)+26”
3 ジョアン・アルメイダ(UAEチームエミレーツ、ポルトガル)+59”
4 ダミアーノ・カルーゾ(バーレーン・ヴィクトリアス、イタリア)+4’11”
5 エディ・ダンバー(チーム ジェイコ・アルウラー、アイルランド)+4’53”
6 ティボー・ピノ(グルパマ・エフデジ、フランス)+5’10”
7 テイメン・アレンスマン(イネオス・グレナディアーズ、オランダ)+5’13”
8 レナード・ケムナ(ボーラ・ハンスグローエ、ドイツ)+5’54”
9 アンドレアス・レックネスン(チーム ディーエスエム、ノルウェー)+6’08”
10 ローレンス・デプルス(イネオス・グレナディアーズ、ベルギー)+7’30”
122 新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス、日本)+5:08’37”
ポイント賞(マリア・チクラミーノ)
ジョナサン・ミラン(バーレーン・ヴィクトリアス、イタリア)
山岳賞(マリア・アッズーラ)
ベン・ヒーリー(EFエデュケーション・イージーポスト、アイルランド)
ヤングライダー賞(マリア・ビアンカ)
ジョアン・アルメイダ(UAEチームエミレーツ、ポルトガル)
チーム総合時間賞
バーレーン・ヴィトリアス 245:35’21”
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- CREDIT :
- TEXT:平井久美子 PHOTO: LaPresse @Sprintcycling @TeamBahrainVictorious)
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