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バーチャル空間ワトピアのボルケーノに350人が集合|福島復興サイクルロードレース

福島復興サイクルロードレース2024シリーズ戦の前哨戦として、サイクリング・ランニングトレーニングプログラムZwift(ズイフト)によるバーチャルレースシリーズのRound7が3月19日(火)の夜におこなわれた。今回はズイフターにはなじみが深いコースの1つ「ボルケーノ・サーキット」でのクリテリウムレースを、MCをつとめる牛むつみさんがレポート。

福島復興サイクルロードレースシリーズ・バーチャルレース:Round7「福島レース」Presented by ZWCレポート

明るい太陽の元で自然に囲まれたビジュアルとなる、Zwiftを長く親しむズイフターたちにはおなじみの世界「Watopia(ワトピア)」の中に設定されたボルケーノ・サーキットコースを走るレースが、3月22日(火)と3月26日(火)の2週にわたり開催される。

その「ボルケーノ・サーキット」にあるいくつかのルートから、この日は「Volcano Circuit CCW(ボルケーノ・サーキットCCW)」というクリテリウムレースに最適なレイアウトのコースで開催される。このレースのプロデュースは、福島復興サイクルロードレース2024・バーチャルレースのラウンド1からレギュラー解説を担当するKENTA氏が率いるチームZWC。「うちのチームで毎週水曜日、夜8時に開催の『ZWC JAPAN CRIT RACE』という、海外のナイトクリテリウムのような短めの距離設定で気軽に走れるレースがありまして。このレースには国内外のZwiftランキングトップ選手が集まってきて毎回、激しい高強度のレースが開催されてます。そのレースが、福島復興サイクルロードレースの『ツール・ド・ふたば』でおこなわれるというクリテリウムもイメージできるのでは?と思い、企画してみました」とコメント。

昨年、初めて開催された「ツール・ド・ふたば」では、国道61号線を封鎖してサイクリングとレースをおこなった実績がある。そのレースでは国内では珍しいラインロードレース形式で開催されたが、今年の5月18日・19日となる開催では完全クローズド、かつ1周回の距離が短いコースで何度も周回を重ねる「クリテリウムレース」に生まれ変わり、スリリングで熱い戦いが繰り広げられると予想される。そんなレースをイメージして、今レースは開催された。

ツール・ド・ふたばの模様はこちら

復興の進む福島の今を走る、ツールドふたば開催|福島復興サイクルロードレースシリーズ2023

復興の進む福島の今を走る、ツールドふたば開催|福島復興サイクルロードレースシリーズ2023

2023年04月17日

レースを完走すると抽選で豪華賞品がもらえる

レース前には、前回のラウンド6「マーケン社プロデュース・LONDON:surrey hills」のレース結果をカテゴリーごとに上位TOP3ライダーのご紹介。

そして完走されたライダーのなかから、厳正な抽選を経て福島県の名産品・工芸品が当選した5名さまの発表をおこなった。前回、当選者の皆さまには浪江町、楢葉町、富岡町の名産品・工芸品が贈られる。さらに今回の当選賞品も発表され、浪江町、南相馬市、田村市、川内村の各地名産品の数々をハシケン氏から紹介すると、配信コメンターはからはYouTube配信のチャットにも「おいしそう!」など感想コメントも入る。らたに、KENTA氏から「今回のレースは比較的に短い距離と時間のレースで完走しやすいですから、多くの方々に福島名産品が当たる抽選会に参加できる権利が得やすいかもしれないですね」と、これからスタートするライダーの皆さんにうれしいエールが送られた。

ボルケーノ・サーキットに350名以上が挑戦

今回のボルケーノ・サーキットCCWは、プロデュースするZWCのKENTA氏から「コースは基本は平坦、しかも1周回が約4kmのコースを6周回=約30kmを走ってもらうので、一番速い展開になりそうなAカテゴリーでトップは40分ほどでゴールしてしまうような、サクッと高強度でアタック合戦になると思います。ただ、平坦なクリテリウムで速いというとスプリンターが活躍しそうなレースになりそうですが、毎周回ラップするコントロールライン前にあるいったん下ってから一気に上る所があり、そこで20秒から25秒をシッカリもがいて押し切る必要があるので、ゴールでのスプリントを回避したい地脚のある選手は、この3km過ぎ地点にある登坂で早めに仕掛けて逃げる動きもありそうです」と解説とレース展開予想がされた。

福島復興サイクルロードレースの磐梯吾妻スカイライン・ヒルクライム(2024年7月6~7日開催)もボルケーノと同じく火山地帯を走る

そんなレースには今回もZwiftドットコムでの集計で、Aカテゴリーが93名、Bが183名、Cが61、Dが9名、そして女子Eが12名と合計で350名を超すエントリーとなり、8時ちょうどから国内屈指のライダーが集まるAカテゴリーから、女子Eカテゴリーまで1分ごとに、各カテゴリーがワトピアの美しい海岸線横にある桟橋から次々とスタートした。今回は短いレース距離ということもあり、どのカテゴリーもスタートからスピードが上がる。

そんな中、女子Eカテゴリーにはリアルレースでも多くの好成績を残しているsakurako furutani選手(URC/wcu)が今VRラウンドに初参戦し、夫もAカテゴリー参戦と夫婦でレーススタートを切っている。さらに今までのVRラウンドで活躍している選手たちの姿も確認できる。Cカテゴリーには来週のレースプロデュースを担当するZEALのY Sil選手も参戦、どのカテゴリーも注目すべきラインアップとなっている模様だ。

プロデューサーKENTA氏の予告どおりの激しい展開に

リードインの3.4kmを終えて、早速AカテゴリーでアタックをかけたのはZWCのYukinori Kitano選手。その動きにつられるようにして、次々とブリッジがかかり、集団は一気に縦に伸びていく。その後、登坂に入る前の下りでJun HONDA(NICO/J4T)、S Tatami(RICE ON)、ninnin cycle(EMU)、ドイツから参戦のRD72の4選手がまとまり、チャットでお互いにコミュニケーションを取りながら後続の集団と4秒ほど差を付けローテーションしていく。その逃げにEMUのninnin選手がいるにも関わらず、後ろの集団から同じチームのT Shimo選手(EMU)が、7W/kg以上の出力で逃げを追いかけている動きにKENTA氏が気づき「本来なら同じチームで逃がしている間に集団に待機しているはずなのに、もう何でもアリになってますねー」と呆れつつも、思いもしない展開に喜んでいる様子。

一方、BカテゴリーではO.OGE選手(NICO)がアタックし、後ろに最大4秒の差をつけ単独逃げの状況に。これは一番エントリー数が多いカテゴリーということもあり早め早めの動きが出ていることが考えられる。Cカテゴリーは全体的なペースアップとなり集団が中切れを起こしている。クリテリウム特有にある細かい出力の上げ下げはリアルレースだと主にコーナーワークとなるが、バーチャルレースでは高低差の連続で再現しているようだ。

2周目に入ると、Aカテゴリーから再びKitano選手とTatami選手が逃げるが、すぐに後続のメイン集団が反応し再びブリッジからの吸収、新たなアタックとKENTA氏がスタート前にコメントしていたとおりのアタック合戦に突入。一番最後にスタートした女子Eカテゴリーは、集団8名の状態でリードイン区間を終えて周回へと入っていった。その後、Yukimi Sawada選手(TMR)とS mayumi選手(MARKEN)が引っ張るような形で集団のペースが上がっていく。Dカテゴリーは4名の先頭集団が形成されており、女子ライダーT Nami選手(NAL-BWR)もこの中でキープしている。

Aカテゴリーには世界のKitano選手やトライアスリートの戸原開人選手も出場

3周目、Aカテゴリーは序盤にペースを上げすぎた影響か、Zwiftのチャットでも「脚、貯めます」というメッセージが入り集団が1つとなってペースが落ちついてくる。特に序盤に動きまくったKitano選手からは「もう3回アタックした。みんなも惜しみなく脚を使おう」というメッセージを打ち、その後に自分が動いてTatami選手とともに再び逃げる。この積極的な動きには「この週末に(JBCFの)宇都宮クリテリウムが開催されるのですが、このレースに世界のKitano選手も出場するんです。そのレースに向けて今日は良い刺激を入れて、週末は勝ちを狙っていると思いますよ」とKENTA氏がコメント。一緒に逃げるTatami選手もヒルクライムレースで実績のあるパンチドランカーというパワーの持ち主がペアで逃げているところに、ninnin選手も合流する。

Bカテゴリーではいったん集団が1つになり3周目に入ったタイミングで再びOGE選手がアタック。この動きにつられて集団が縦に長く伸びて一気にペースアップ。CカテゴリーではN.Koyama選手が7W/kg以上の出力、心拍が180bpmと一気に上げて単独逃げをかける。女子Eカテゴリーでは、3周目に入る前の登坂で8名の集団が7W/kgから8W/kgの出力で上る中、furutani選手が単独で飛び出して追う集団もペースアップ。この動きで何人か集団からこぼれてしまう。

このような平坦メインなクリテリウムレースでは、どのようなZwiftアッセンブルがおすすめか伺うと「やはり直線が長いということもあり、ディスクホイールは良いのではないかな、と思います。ガレージにストックがあるならスペシャライズドのVengeにディスクホイール、もしくはキャニオンあたりにディープリムを履かせるのが良いかも」とKENTA氏。レースによってはTTバイク使用がNGということもあるので、普段から山岳、もしくは平坦それぞれのコースに合わせてアッセンブルを変えてみることで、レースやライドで有利になる実感が湧きバーチャルレースで走る楽しみが増えるだろう。

4周目、Aカテゴリーでは縦に長く伸びペースアップした集団から、またアタックが次々とかかる中で、下り区間を単独で飛び出したのはK.Tohara選手。じつは、このTohara選手はプロトライアスリートの戸原開人選手! 彼を取材したこともあるハシケン氏によると「宮古島トライアスロンやIRONMANなど多くのレースで優勝や入賞の実績があるトップトライアスリートでアイアンマンなんですよ」とのこと。

下りの後に待ち受ける登坂区間でも全開で踏み続け、後続集団に最大7秒差まで開けてしまったので、そのままではいられない集団はHONDA選手を筆頭に追いかけながら、残り2周回に突入。Bカテゴリーでは度重なるアタック合戦で、40名ほどのサイズになった集団のまま残り2周回へ。女子Eカテゴリーは、先頭集団がYukimi Sawada、S mayumi、sakurako furutaniにN Mari、Yunna Takahashi、NATCHONの6名に。ちなみにAカテゴリーのトップ集団の周回ラップタイムが5分ほぼフラット、女子トップが6分前半で推移。

AカテゴリーではHONDA選手が10W/kg以上ものパワーで優勝

そしてラストの周回、Aカテゴリーは集団の先頭が入れ替わり続けながら登坂へ突入。その中からH.Yuki選手(TMR)が「いきます」というメッセージとともにアタック! ここからゴールに向かって次々とライダーが突進し、この中からHONDA選手が10W/kg以上でスプリントし、見事優勝。先週のZwift主催「Zwift Games」で唯一の日本人出場選手としての実力を発揮し、素晴らしい結果につなげた。2位にはKENTA氏がスタート前に有力選手として名前が挙がっていたYoshihisa Kawasaki選手(JETT)、3位にはDaichi Ito選手(ZWC)が入った。

Bカテゴリーではebi ebi選手(ZEAL)が優勝

Bカテゴリーはゴールまでの30秒近い、長いスプリントを耐えて最大11W/kgで逃げ切りゴールを決めたebi ebi選手(ZEAL)が優勝を獲得することに成功した。2位には韓国から参加のCho Haesung選手、3位はkazuya matsumoto選手となった。CカテゴリーはA Shota選手が、確認出来る限りでは26km地点から単独で逃げており、10数名にまで減っていた後続集団が追うも16秒のタイム差で逃げ切り優勝を決めた。2位はゴール前の集団スプリントで抜け出したポルトガルのRicardo Fernandes選手、3位はTak I選手(YSROAD)となった。

女子カテゴリーではNATCHON選手が逆転優勝

女子Eカテゴリーのラスト周回では、28km地点でTakahashi選手が単独アタックで逃げ、4名の集団が追いかけていたが、その集団からMari選手が8W/kgで追いかけTakahashi選手を捉えてゴールへ向かう。しかし、そのMari選手に10W/kgでカウンターアタックをかけたのはNATCHON選手! 一気にゴール手前で追いついて、そのまま先着し優勝を決めた。2位は惜しくも競り負けたものの鋭い走りを魅せたN Mari選手、3位はスプリントで粘ったS mayumi選手と続いた。Dカテゴリーはラスト周回でスコットランドのEdward Gardner選手が後続の3名の集団から17秒のタイム差を持って優勝、2位に韓国のJaeyoel CHOI選手、3位はスプリントでアメリカのMike Trinitapoli7575選手が先着、Nami選手は4位完走を果たした。

バイシクルクラブYouTubeチャンネルではアーカイブ放送

バイシクルクラブYouTubeチャンネルでは、当日の配信終了後もじっくり楽しめるアーカイブ観戦が用意されている。リアルタイムで見逃してしまった方も、ぜひチェックしてみてほしい。Round7以降も参加者募集中!

次回は3月26日(火) Round8「福島レース」 Presented by ZWC

次回の福島復興サイクルロードレースシリーズVRは、3月26日の火曜日。レーススタートは夜8時。その30分前の夜7時30分からYouTube配信をスタートのRound8「福島レース」 Presented by ZEAL。コースはワトピアの「Volcano climb」で、KENTA氏によると「今日と同じボルケーノを走るコースですが、平坦だけでなくボルケーノKOMを含めたエグイ登坂があり、KOM頂上がゴールになると思われるので、今回とは又、性格がガラッと変わるレース展開を楽しみにしています」と紹介してくれた。次回も皆さんのご参加とご観戦をお待ちしております。

3月26日(火) Round8 ZEAL プロデュース オープンレース

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4月2日(火) Round9 JAPANクラブチーム対抗レース
4月7日(日) Round10 EMU SPEED CLUB プロデュース オープンレース

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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