目玉焼き・オムレツ・茹で卵、三大卵料理を極める技を『キッチンさくらい』に聞く
buono 編集部
- 2020年04月25日
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たんぱく質が豊富な卵は、朝ごはんにぴったりの食材だ。日本の食卓にも卵料理が欠かせないメニューになっている。老舗の洋食店『キッチンさくらい』料理長横田氏に、シンプルだからこそ極めたい、定番の卵料理3品をパーフェクトに作るための理論を教わったので早速紹介しよう。
目玉焼きは仕上げの弱火5分がカギ!
目玉焼きはシンプルな料理だからこそ、こだわると意外に難しい。
『キッチンさくらい』が提案するのは、鉄鍋での調理。熱伝導が遅い鉄製の鍋を使うことで、その温度差をゆっくりと埋めることができ、白身はしっかりと火が通り、黄身は半熟の目玉焼きができると横田氏は言う。
パンにもご飯にも最高のお供となるシンプルな目玉焼きもいいが、厚切りのベーコンを焼き、最後にパルメザンチーズ、オリーブオイル、コショウを振ることで、カルボナーラ風にも仕上がる。
【材料】1人分
卵……2個
サラダ油……大さじ1
ベーコン……3枚
コショウ……適量
パルメザンチーズ……適量
オリーブ油……適量
【作り方】
1. 卵は常温で30分ほど置いておく。
2. 鉄鍋にサラダ油を引き、弱火で温めて油をなじませる。
3. 余分な油を取り除いてから、卵を割り入れる。
4. 中火で卵を焼き、白身が固まり始めたら弱火にしてじっくりと焼く。
5. ベーコンを別の鍋で焼き上げる。
6. 卵とベーコンが焼きあがったら、お皿に盛りつけ、コショウ、パルメザンチーズ、オリーブ油を回しかけて完成。
【ポイント1】目玉焼きには鉄製の鍋を使え!
卵の白身は58度で固まり始め、黄身は65~70度で固まり始める。鉄鍋ならば、その温度差をゆっくりと詰められるのだ。
【ポイント2】最後はあせらず弱火でゆっくりと火を通せ!
卵を落としてから中火で焼き、白身が固まり始めたところで弱火に落として約5分待つのが、半熟目玉焼きの最大のポイント。
茹で卵の理想の黄味は、沸騰してから8分30秒
茹で卵からトロリと黄身がこぼれ落ちる瞬間はなんとも甘美だが、朝ごはんの主役として茹で卵をいただくのであれば、固茹での茹で卵でお腹を満たしたい。鍋に入れて火をかければ茹で卵はできあがるので、誰でも簡単に作れる料理だが、きちんと自分好みの茹で加減を知っておき、時間を計っておくことはとても大事だ。鍋に卵を入れて浸るくらいの水からスタートするのが基本だが、水が沸騰するまでは鍋から離れるべからず! 火加減と1分1秒が、仕上がりを左右する。
【材料】1人分
卵……3個
水……適量
【作り方】
1. 卵は常温で30分ほど置いておく。
2. 鍋に卵がひたひたになるくらいの水を入れ、卵を入れ強火にかける。
3. 2が沸騰したら弱火にして8分半ほど茹でる。茹でる途中で箸で何度かかき混ぜる。
4. 3の卵を水にさらしてから氷水に入れて、完全に冷やしたら完成。
【ポイント1】黄身を中心にするには茹でながら菜箸でかき回す
黄身の偏りをなくすためには、茹でながら数回菜箸で卵をかき回す。そうすることで、黄身が中心によってくれるのだ。
【ポイント2】茹で上がったら氷水で急冷する!
せっかくタイマーを使って茹で上げても、そのまま放置したのでは理想の茹で卵には辿り着けない。氷水で粗熱を冷まそう。
ふわトロのオムレツを叶えるのは高速撹拌15回!
オムレツも目玉焼きと同じく、経験値がものを言う料理。一度で美しいオムレツが作れると思うことなかれ。美しいふわとろのオムレツは、失敗を繰り返しながら、何度も卵と向き合ってこその賜物だ。オムレツは、料理人の腕をごまかせない繊細な料理なのだ。
【材料】1人分
卵……3個
生クリーム……20g
玉ねぎ(みじん切り)……大さじ1
トマト(みじん切り)……1/8カット
ジャガイモ(蒸したあとにみじん切り)……1/8カット
塩コショウ……少々
無塩バター……大さじ1
【作り方】
1. ボウルに卵を割り、生クリームを入れてよく混ぜる。
2. 1に玉ねぎ、トマト、ジャガイモを混ぜる。
3. テフロン加工のフライパンにバターを入れて温めたら、2の卵液をすべて流し込む。
4. 強火で卵液の縁がふつふつと沸いてきたら、手早くかき混ぜる。
5. 鍋を火から外して、スクランブルエッグを作る。
6. 5をオムレツの形に整えて行ったら完成。
【ポイント1】ふわトロにするためにはスピードがものを言う
強火で熱したフライパンに卵液を流しこんだら、菜箸を持つ右手とフライパンを持つ左手を同時に動かしながら一気に攪拌しよう。
【ポイント2】オムレツ専用のフライパンを今すぐ用意すべし!
オムレツをマスターしたいのならば、オムレツ専用のフライパンを購入するくらいの心意気が必要なのは間違いない。失敗いらずのコツとして、テフロン加工のオムレツ専用18cmのフライパンを持つこと。オムレツは鉄製フライパンのイメージがあるが、プロにもテフロン愛用者は意外と多いのだ。
やはりプロレベルの卵料理を実現するのは、特別な道具ではなく経験値であることが分かっていただけたと思う。料理人生で避けては通れない3大卵料理だけに、レベルアップする甲斐があるというもの。ポイントを押さえて、精進あるのみ!
教えてくれたのは…
横田浩志
2000年より『洋食さくらい』にて、長谷山料理長の下で洋食料理を修行。2006年より都内イタリア料理店でイタリア料理を学んだ後、2010年『キッチンさくらい』の料理長に就任。好きな卵料理は、固ゆでの茹で卵。
キッチンさくらい
住所/東京都台東区上野3-27-3 6F
電話/03-6240-1648
営業時間/11:30~15:00(L.O.14:30)、17:30~22:45(L.O.22:00)、土曜~22:45(L.O.22:00)、日曜~21:45(L.O.21:00)
定休日/なし
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PROFILE
buono 編集部
使う道具や食材にこだわり、一歩進んだ料理で誰かをよろこばせたい。そんな料理ギークな男性に向けた、斬新な視点で食の楽しさを提案するフードエンターテイメントマガジン。
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