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プロ級ラーメンを作ってみないか? 『ソラノイロ』代表・宮崎千尋氏直伝ノウハウ 前編

専門店に限りなく味を近づけるために

東京・麹町で女性を中心とした行列が絶えないラーメン店がある。ミシュラン・ビブグルマン掲載店、『ソラノイロ』である。「ラーメンは男性のもの」という既成概念を打破し、野菜を多用した「ベジソバ」で業界を震撼させたラーメン界の風雲児、それが宮崎千尋氏だ。ラーメンを自宅で、それも美味しく作りたい、そんなbuonoの依頼を宮崎氏は快く受け容れてくれた。

 

「だれでもできますよ(笑)。はじめに断言しますが、店の味は出せません。店は大量な仕込みと独自ルートでの材料の調達、そして長い年月をかけて注ぎ足ししたタレを使っています。これらが専門店の強みなんです。ですが、ご心配なく。今回はそんな店の味に限りなく近いラーメンに仕上がるレシピを公開します。分量は液体も含めてグラム表記としました。これは、例えば固体と液体を1:1で混合する際、単位を統一することでブレを生じさせないためです。必ずキッチンスケールを用意して、正確な分量で作ってください。そして、調味料をはじめ、材料は少々値が張っても良いものを選んでくださいね。ラーメンは醤油やみりん、酒の味がダイレクトに反映されます。ここで手を抜くと残念なラーメンになってしまいます。材料が揃ったら、あとは作り上げていくだけです! 今回のレシピはバカでかい寸胴で作るような分量ではありません。自宅環境で実現性のある分量としましたので、ぜひ実践してみてください。回数を重ねることで好みの味に近付けるはずです!」

ラーメンの構成要素

ラーメンは大別して「スープ」、「麺」、「具」から構成される。そしてスープは3つの要素から成り立つ。まずはこの構造を頭に入れておこう。

ベースのスープ3種類を作ってみよう!

ラーメンのスープはベーススープ、タレ、油からなる3要素の集合体だが、旨味を司るのがベーススープである。ここに紹介する基本の3種をマスターして様々な組み合わせをお試しあれ!

清湯(チンタン)

透き通った清湯はベーススープの中でも基本中の基本。ここでは担々麺に使用していく。

材料(作りやすい分量)

鶏ガラ……900g
水……1.8㎏

作り方

1 鶏ガラを重量に対し2倍の水から強火で炊く。

2 アクが出たら取り去る。旨味を出すため完全に取りきる必要はない。

3 圧力鍋を使って1時間炊く。

4 残ったアクを取り去る。

5 ザルで濾す。

6 出来上がり! ベーススープのみを別鍋に移しておく。

鶏白湯(とりパイタン)

白濁したクリーミーさが特徴の白湯。ここでは塩ラーメンに使用する。

材料(作りやすい分量)

清湯作りで残った鶏ガラ……670g
水……1.34㎏

作り方

1 清湯で残ったガラを、重量の2倍の水から強火で炊く。

2 アクを取る。

3 鍋の縁から水面までの距離を測り、約15分おきに湯量を確認する。

4 湯量が減ったら熱湯を足す。

5 十分に白濁したら火を止める。

6 ザルで濾したら完成。別鍋に移しておこう。

 

煮干スープ

人気沸騰中の “ニボ系ラーメン” の根幹を成すのが、この煮干し系ベーススープだ。醤油ラーメンに使用する。

材料(作りやすい分量)

煮干し……70g
サバ節……30g
水……3kg

作り方

1 雪平鍋に水を張り、煮干しを加えたら中強火にかける。

2 5分後にサバ節を加えて、弱火に落とし、さらに5分煮出す。

3 計10分加熱し、旨味を引き出したうえで、ザルで濾し別鍋に移す。

味を決定付けるタレを作ってみよう!

ベーススープが旨味を司るとすれば、味の方向性を決定付けるのがタレの存在だ。醤油、塩の2種を覚えておくことで、作ることのできるラーメンのバリエーションは広がる。プロの極意をここに披露しよう。

醤油ダレ

旨味と甘みを感じるラーメンに欠かせない醤油ダレ。甘みを生むリンゴ酢と、2種をブレンドして醤油の香りを増幅させることがポイント。担々麺と醤油ラーメンに使用する。

材料(作りやすい分量)

濃口醤油……900g
再仕込醤油……100g
リンゴ酢……35g
みりん……330g
三温糖……35g

作り方

1 すべての材料を混ぜ合わせる。

2 火にかけ中火(63℃が理想)で30分加熱する。

3 冷蔵庫で1週間休ませたら完成。

塩ダレ

一般に塩味と呼ばれるラーメンは塩単体ではなく、魚介類の旨味を十分に引き出した塩ダレによって完成する。塩ラーメンに使用する。

材料(作りやすい分量)

水……1.5kg

A
昆布……50g
干しエビ……50g
干しホタテ……50g
干しシイタケ……25g

みりん……200g
料理酒……200g
しょっつる……100g
三温糖……30g
ゲランドの塩……270g

作り方

1 Aのダシとなる乾物は前日から水出ししておく。

2 1をとろ火で20分火にかける。

3 昆布を取り出す。

4 ザルで濾す。

5 4を再び火にかけ、残りの材料を加え、撹拌しながら溶かす。

6 仕上がりが1kgになるよう水で分量を調整し、粗熱を取ったうえで冷蔵庫に入れたら一晩寝かせて完成。

風味とコクを与える油3種を使いこなす

ラーメンのスープを構成する「ベーススープ」、「タレ」に続く第三打席が油である。油はラーメンに風味とコクを与える。香味油が最も一般的であるが、ここではラー油と鶏油の作り方についても解説を加える。

香味油

香味野菜の風味を移した油は、芳醇な香りに欠かせない。塩ラーメンに使用する。

材料(作りやすい分量)

ニンニク……15g
長ネギ……20g
玉ねぎ……20g
米油……900g
鷹の爪……1本

作り方

1 香味野菜はみじん切りにしておく。

2 香味野菜と鷹の爪はボウルにまとめておく。

3 160℃に熱した油へみじん切りにした材料を加える。

4 材料が沈まない温度を目安にやや温度を下げる。

5 材料が色付いたら鷹の爪を投入する。

6 鷹の爪の縁が黒ずんだら火から下ろし、濾す。

ラー油

市販品がありながらもラー油を自作するメリットは風味が鮮烈で、また辛味のコントロールが可能な点にある。担々麺に使用する。

材料(作りやすい分量)

米油……360g
ゴマ油……10g
一味……30g
韓国唐辛子……20g
水……50g
花椒……10粒
鷹の爪……1本

作り方

1 一味、韓国唐辛子をボウルに入れ水で溶いておく。

2 2種の油を混ぜたものを中強火にかけ、鷹の爪を入れる。

3 鷹の爪が黒ずんだら合図。火から鍋を下ろす。

4 熱いままの油を3~4回に分けて1に流し入れて完成。

鶏油(チーユ)

醤油ラーメンに使用する鶏油。作り方は至って単純だ。

材料(作りやすい分量)

鶏皮(またはボンジリ)……500g
水……1kg

作り方

1 鶏皮を鍋に並べ、鶏が浸る程度に水を注ぎ入れ、強火で沸いたら火を弱め、アクが出たらこまめに取る。

2 表層に浮きあがった黄色い油のみをレードルで掬い取り、キッチンペーパーで濾す。

ラーメンのトッピングも

スープ、麺がラーメンの土台だとすれば、その檜舞台で華麗に舞うのが「具」だ。ラーメンに華を添える具材も自作することで ラーメン作りの達成感は増すはずである。いずれもコツさえつかめば難易度の高くないレシピ、ぜひ自作してみてほしい。

メンマ

醤油ラーメンに欠かせないメンマも自作することで好みの味が手に入る。

材料

水煮メンマ……200g
水……500g
淡口醤油……90g
ごま油……8g
三温糖……63g
ほんだし……2つまみ
鷹の爪……1本

作り方

1 メンマは水煮を購入し、水洗いする。

2 ぬるま湯に10分さらすことで臭みを取ることができる。

3 メンマ以外の材料を鍋に入れる。

4 メンマを加え、中火で20分煮る。粗熱をとれば完成。

低温チャーシュー

こちらも醤油ラーメンには必要不可欠な存在。煮豚とは一線を画すジューシーな低温チャーシューでゲストを驚かせよう。

材料

豚肉(肩ロース)……500g
醤油……400g
みりん……100g

作り方

1 豚はタコ糸で巻き調味液とともに保存袋に入れる。

2 水を入れたボウル等に浸し、袋内を脱気する。

3 68°Cで2時間湯煎する。

4 粗熱を取り、冷蔵庫で一晩休ませて完成。

煮玉子

決定版レシピがこれだ! 醤油ラーメンにも塩ラーメンにも。

材料

卵…10個

A
水……750g
濃口醤油……120g
みりん……45g
料理酒……38g

うまみ調味料……小さじ1

作り方

1 針で穴を開けた卵を熱湯で6分30秒加熱。

2  加熱後すぐに氷水に浸けることで殻が剥きやすくなる。

3 鍋に入れたAが沸いたら火を止め旨味調味料を加え、冷ます。

4 殻を剥いた卵に3を流し入れ、冷蔵庫で12時間漬け込み完成。

鶏チャーシュー

湯煎で作るしっとりとした鶏チャーシューもまた、ゲスト歓喜の一品となる。鶏白湯スープとの相性はいわずもがな。

材料

鶏肉(ムネ)……200g
水……1L
塩……53g
うまみ調味料……10g

作り方

1 鶏は他の材料を混ぜた調味液で一晩漬け込む。

2 保存袋へ入れ、袋を水に侵けて真空状態にする。

3 65°Cで25分間湯煎し、完成だ。

肉味噌

坦々麺には欠かすことのできない肉味噌のレシピがこれだ。山椒によりシビレを感じる旨味の詰まった具である。

材料

豚肉(挽き)……500g

A
甜麺醤……100g
濃口醤油……100g
料理酒……50g

キャノーラ油……少々
花椒……10粒

作り方

1 Aを混ぜ合わせておく。

2 フライパンに油を引き、火にかける。

3 挽肉を炒める。

4 挽肉が白さを帯びたら1を流し入れる。

5 強火で煮詰め、花椒を散らす。

6 水気が飛んだら完成。

揚げ松の実

坦々麺に添える松の実。そのまま使う店や家庭も多いが、揚げれば風味が引き出され、食感も格段に良くなる。ひと手間で美味しくなる具の好例だ。

材料

松の実……1つかみ
キャノーラ油……適量

作り方

1 キャノーラ油に松の実を入れ、弱火で揚げる。

2 色付いたら火からあげる。

3 ザルで油を切る。

 

家庭でできる本格的なラーメンのスープやトッピングの作り方をご紹介した。さて、ここまで来たらいよいよ仕上げ! これらを組み合わせて醤油ラーメン、塩ラーメン、担々麺の3種のラーメンを作っていこう。

プロ級ラーメンを作ってみないか? 『ソラノイロ』代表・宮崎千尋氏直伝ノウハウ 後編

プロ級ラーメンを作ってみないか? 『ソラノイロ』代表・宮崎千尋氏直伝ノウハウ 後編

2021年03月18日

教えてくれたのはこの人!

宮崎千尋さん

一風堂での11年に渡る修業を経て2011年に『ソラノイロ』で独立。“女性が楽しめるラーメン” という新発想で人気を獲得する。2014年に『ミシュランガイド』でビブグルマンに初掲載。現在、店舗も増え、その活躍は止まらない。

ソラノイロ~トンコツ&キノコ~

住所/東京都中央区京橋2-2-1 京橋エドグランB1F
TEL/03-6262-3545

出典

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buono 編集部

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使う道具や食材にこだわり、一歩進んだ料理で誰かをよろこばせたい。そんな料理ギークな男性に向けた、斬新な視点で食の楽しさを提案するフードエンターテイメントマガジン。

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