BRAND

  • FUNQ
  • ランドネ
  • PEAKS
  • フィールドライフ
  • SALT WORLD
  • EVEN
  • Bicycle Club
  • RUNNING style
  • FUNQ NALU
  • BLADES(ブレード)
  • flick!
  • じゆけんTV
  • buono
  • eBikeLife
  • HATSUDO
  • Kyoto in Tokyo

STORE

  • FUNQTEN ファンクテン

MEMBER

  • EVEN BOX
  • PEAKS BOX
  • Mt.ランドネ
  • Bicycle Club BOX

ツール覇者ポガチャルが個人総合2連覇達成! クイーンステージでダメ押しの勝利|UAEツアー第7ステージ

2022年のUCIワールドツアー開幕戦、UAEツアーは現地226日に行った第7ステージで大会が終了。最終日は名物の山岳、ジュベル・ハフィートへのヒルクライム。頂上のフィニッシュラインへ一番に飛び込んだのは、王者タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア)だった。これで個人総合首位を守り切って、大会2連覇を達成。チームにとってのホームレースで、最大のミッションを達成した。

シーズン序盤の最重要レースを制したポガチャル

スプリントあり、個人タイムトライアルあり、そして山岳ありと、ステージレースの要素をすべて凝縮させた7日間。大会の最後を飾ったのは、これまで数多くの好勝負が展開されてきたジュベル・ハフィートの登坂だ。

山頂のフィニッシュへ向けては、登坂距離10.6kmにして、平均勾配6.6%の上り。フィニッシュ前3kmで最大勾配11%に達する。昨年は大会前半に登場し、ポガチャルが勝って一気に大会制覇へとつなげた。今回は2022年大会の覇者を決定する最重要ポイントとなった。

ここまで個人総合争いでは、第4ステージ以降ポガチャルがリードを守ってきた。とはいえ、総合タイム差1分以内に17人がひしめく大激戦。ポガチャル以外にも、上位に位置する選手たちであればトップへ駆け上がるチャンスが残されていた。

そんな中で迎えたレースは、6人の逃げで進行。メイン集団はリーダーチームのUAEチームエミレーツを中心にペースをコントロール。2分から3分ほどの差で推移したが、やがて追走を本格化。逃げメンバーも徐々に減っていき、ジュベル・ハフィートの入口に入る頃には、前線に残ったのはジャンニ・フェルメールス(アルペシン・フェニックス、ベルギー)ただ1人だった。

上りに入ってフェルメールスもキャッチされると、いよいよ勝負は本番へ。残り7kmを迎えてラファウ・マイカ(UAEチームエミレーツ、ポーランド)がペースを上げると、集団の人数は一気に減少。ライバルの反応をうかがうべくポガチャル自ら先頭に立つ場面も見られ、緊張感がグッと増していく。

残り3kmでは、個人総合4位につけるアダム・イェーツ(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)がアタック。2年ぶりの覇権を狙って仕掛けるが、ここはポガチャルがすかさずチェック。さらに個人総合7位につけるペリョ・ビルバオ(バーレーン・ヴィクトリアス、スペイン)と、ポガチャルのアシストをしながら自身も個人総合6位につけるジョアン・アルメイダ(ポルトガル)が合流。アルメイダはすぐに牽引役になって、ポガチャルをアシストする。

4人体制で残り1kmへ。再びイェーツがアタックすると、反応できたのはポガチャルだけ。この状況を見たイェーツはポガチャルとのマッチスプリントでのステージ争いに絞ったか、スピードを緩めて牽制状態に入った。

そして最終局面。コーナーとわずかなアップダウンを利用して加速したのはポガチャル。攻め続けていたイェーツに最後の脚は残っておらず、ポガチャルがリードを得て最終コーナーへ。昨年に続いて、ジュベル・ハフィートでのイェーツとのマッチアップを制してステージ優勝。同時に、個人総合2連覇を確定させた。

UAEチームエミレーツにとっては、ツール・ド・フランスと並んで最大目標とするのが、このUAEツアー。同国の国家プロジェクト的な意味合いが強いチームにとっては、同様に国を挙げてのビッグイベントである今大会で勝利することは至上命題だった。チームは現状でのベストメンバーを編成し万全を期して挑み、きっちりと結果を残してみせた。また、大会数週間前には新型コロナウイルスの陽性反応で隔離を余儀なくされたポガチャルは、その影響を感じさせない強さを見せつけた。

ポガチャルに続く個人総合2位にはイェーツ、同じく3位にはビルバオが続いた。

シーズン序盤の恒例となっている中東諸国でのビッグレースは、おおむね終了。UCIワールドツアーも、メインステージであるヨーロッパへと移っていく。

ステージ優勝、個人総合優勝 タデイ・ポガチャル コメント

「チームを挙げてのハードワークの結果、ジュベル・ハフィートで勝利できとてもうれしい。マイカが集団を牽引したが、本当は彼にステージ優勝を託しても良かった。ただ残り距離があったので、状況を整えることにした。イェーツのアタックに対応するのはとてもタフで、ジョアン・アルメイダとラファウ(マイカ)が追いつくのを待ちながら走った。ジョアンにもステージ優勝のチャンスがあったが、アタックが決まらなかったので、私がスプリントで狙うことになった。最後はとてもうまくいったので良かった。UAEツアーは私たちにとってシーズン最初の大きな目標。ホームレースであり、スポンサーにとっても重要なレースなので、冬場のトレーニングを無駄にすることなく調整してきた。これからもこの状態を維持できるよう努めていきたいと思う」

UAEツアー2022 第7ステージ結果

ステージ結果

1 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア) 3:20’24”
2 アダム・イェーツ(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)+0’01”
3 ペリョ・ビルバオ(バーレーン・ヴィクトリアス、スペイン)+0’05”
4 ジョアン・アルメイダ(UAEチームエミレーツ、ポルトガル)+0’15”
5 ルーク・プラップ(イネオス・グレナディアーズ、オーストラリア)+0’16”
6 カルロス・ベロナ(モビスター チーム、スペイン)ST
7 ラファウ・マイカ(UAEチームエミレーツ、ポーランド)
8 アレクサンドル・ウラソフ(ボーラ・ハンスグローエ、ロシア)+0’30”
9 ジョフレ・ブシャール(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、フランス)+0’53”
10 クリス・ハーパー(ユンボ・ヴィスマ、オーストラリア)ST

個人総合時間賞

1 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア) 25:38’16”
2 アダム・イェーツ(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)+0’22”
3 ペリョ・ビルバオ(バーレーン・ヴィクトリアス、スペイン)+0’48”
4 アレクサンドル・ウラソフ(ボーラ・ハンスグローエ、ロシア)+0’54”
5 ジョアン・アルメイダ(UAEチームエミレーツ、ポルトガル)+0’55”
6 カルロス・ベロナ(モビスター チーム、スペイン)+1’17”
7 ラファウ・マイカ(UAEチームエミレーツ、ポーランド)+1’24”
8 ジョフレ・ブシャール(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、フランス)+1’46”
9 ロマン・バルデ(チーム ディーエスエム、フランス)ST
10 ダビ・デラクルス(アスタナカザクスタン チーム、スペイン)+1’58”

ポイント賞

ヤスパー・フィリプセン(アルペシン・フェニックス、ベルギー)

ヤングライダー賞

タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア)

中間スプリント賞

ドミトリー・ストラコフ(ガズプロム・ルスヴェロ、ロシア)

SHARE

PROFILE

福光俊介

福光俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

福光俊介の記事一覧

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

福光俊介の記事一覧

No more pages to load