クミン01

クミン ~スパイスの魅力を引き出すカレー、その他のレシピ~

クミンの基礎知識

“スパイスらしいスパイス”の代表格として愛されるクミン。しかし、どれだけの人がクミンについて語れるだろうか。クミン好きも、クミンをこれから使っていきたい人も、まずは知識を確認しておこう。

クミンの基礎データ

クミンシード(ホール)拡大

別名

ウマゼリ、ジーラ

部位

科目

セリ科

産地

イラン

カレーに用いるスパイスの代表格。テンパリング(後述)でより一層香る。紀元前16世紀頃に書かれた古代エジプトの医学書に登場し、現在はメキシコ料理のチリコンカンなど、世界中で広く使われている。

クミンの効能

エスニックな香りが特徴のクミンだが、料理に使うことでの効果はほかにもある。わずかに感じられる、単純な辛みとも異なる刺激が食欲を増進させ、また旨味に似た味が加わることにより、味わいに深みが生まれるのもクミンならではの効果だ。

・食欲増進
・料理を引き締める
・エスニック感を加える

クミンが愛用されている地域

長い歴史と広い支持。“魅惑”の背景とは?

紀元前16世紀に著された医学書にもその名が登場するほどに、長い歴史を持つクミン。エジプトが発祥の地とされており、古代ローマ時代に入ると当時の富裕層が重用するスパイスとして、ラムのシチューやレバーペーストなどの料理にも使われていたとの記述が残っている。紀元前6~3世紀にはインドへ持ち込まれ、インド料理に欠かせないスパイスとしての道を歩み始めることに。そしてクミンはインドを起点に世界中へと広がっていく。

「クミンは古くから世界中で親しまれ、今なお新たな使い方、レシピが生み出されている注目のスパイスです」
こう切り出したのはスパイス調合家、スパイス料理家の肩書を持ち、日本でのスパイスムーブメントの立役者として活躍する日沼紀子さんだ。

日沼紀子さん
日沼紀子さん
スパイス調合家/スパイス料理家。食品メーカー、カフェオーナーを経て、現在はレシピ開発やスパイス&ハーブのワークショップ、オリジナルブランド「アトリエクロワズモン」の主宰を務める。著書に『クミン料理の発想と組み立て』(誠文堂新光社刊)がある。

「スパイスに馴染みの薄い日本人にとっては“カレーのため”のスパイスとしての認識が強いと思いますが、セリ科のクミンはエスニックさの演出だけでなく、爽やかな風味付け、料理に深みを与えるなど、果たす役割は大きいのです。またすり潰すなどの加工方法、その後の調理・加熱方法により引き立つ個性に多面性があるのもクミンならではの魅力ですね」

スパイスを知り尽くす日沼先生をして、探求し甲斐があると言わしめる魅惑のスパイス、クミン。クミンがいかに優れたスパイスであり、料理を引き立てる能力を持っているかは世界中での使われ方を見れば一目瞭然だ。ここではクミンが定着している国々を紹介しよう。
クミン世界地図

インド

スパイス大国・インドの家庭に必ずといって良いほど常備されているスパイスがクミン。カレー、タンドリーチキンとその出番は多い。

アフリカ

19世紀に始まるプランテーションによりアフリカ大陸に伝わったカレー文化。南アフリカでは国民食のひとつとなっている。

マグレブ

モロッコのクスクス、チュニジアのタジン料理、アルジェリアの煮込み料理……。トマトやレモンの酸味とクミンの合わせが得意だ。

中東

羊肉を使ったケバブやひよこ豆で作るフムスなど、クミンが持つ臭み消しや味付けの効果を存分に謳歌している地域といえる。

東南アジア

マレーシアの伝統的な麺料理、ラクサのように亜熱帯ならではのフレッシュなハーブとクミンの組み合わせが特徴だ。

北米・南米

ジャマイカ料理やタコスに代表されるテクス・メクス料理ではシンプルなスパイス調合によりクミンの香りが引き立っている。

クミンと好相性なスパイス

コリアンダーシード 単体でも楽しめるクミンだが、ミックスすることでさらに料理で活躍する。まず試していただきたいのはコリアンダーとの相性だ。コリアンダーがクミンの風味、刺激を中和させ、料理と馴染みやすくなる。

クミンが引き立つテクニック

クミンが人々を魅了する理由のひとつが、クミンが引き立つ“テクニック” とも呼べる調理法だ。料理や嗜好に合わせて使いこなしたい3つの技は覚えておこう。

焙煎

フライパンなどでシード状のクミンを煎ることで、ナッツのような香ばしさが得られる。他のスパイスと同時に煎る方法も。
スパイスの焙煎

すり潰す

クミンの風味を手早く引き出しつつ、シードのような食感が得られる方法だ。すり具合により歯ごたえを調整できるため、塩梅は体得したい。
スパイスをすり潰す

テンパリング

熱を加えてクミンの香りが移った油を料理に生かす技。香味油として炒めものに用いたり、クミン入りの熱い油を料理にかける方法がある。
テンパリング

形状で使い分ける

噛みしめた時の食感、風味の強弱が堪能できる「シード」、そしてマイルドに手早く“らしさ”が感じられる「パウダー」。加減を調整できる「すり」は、加工方法により、手に入れたい“クミンらしさ”が得られる。

クミンシード
シード
クミン粗ずり
粗ずり
クミン細ずり
細ずり
クミンパウダー
パウダー

 

クミンの調理法いろいろ

上で紹介したテクニックとともに注目したいのが、クミンを使った調理法の数々だ。汎用性が高いスパイスだからこそ、調理用途の幅も広い。

炒める

油とクミンの相性は抜群。シードを2~3分加熱した香味油で具材を炒める、または炒め物の最終段階でパウダーを加えるという2パターンがある。
炒める

煮込む

料理全体にクミンの風味を加えたいならばこの調理法が最も効果的だ。下味として材料にまぶすもよし、香りを存分に楽しむならば仕上げにも。
煮込む

焼く

シードを表面にまぶせばインパクトのある香りが楽しめる。少量のパウダーを塩とともに下味としてまぶせば、ほのかにクミンが香る調理法に。
焼く

練り込む

ひよこ豆のコロッケ「ファラフェル」など生地に香り付けとして練り込む方法。シードの場合は噛んだ際に強く香りを感じるため分量には要注意。
練り込む

 

いつものカレーに投入してみよう

ここまで読んでいただいた方は、そろそろクミン愛が募りクミン料理に挑戦したくなってきたはず。
とはいえ日本人にはなじみの薄いクミンは正直言って“取っつきづらい”もの。クミン道の第1ステップとしておすすめするのは、ルウを使ったいつものカレーへの投入だ。

 

クミンパウダー×ラム肉とトマトのカレー

ラム肉とトマトのカレー クミンの特性のひとつに「臭い消し」がある。その効果が発揮されるのが羊肉との合わせだ。クミンがラムの臭みを和らげ、またクミンがカレー全体をよりスパイシーに仕上げてくれる。

【材料】2人分
ラム肉……200g
サラダ油……大さじ1
ニンニク……1/2片
白ワイン……大さじ1
水……300㏄
玉ねぎ……1/2玉
トマト……2/3個
カレールウ……4かけ
クミンパウダー……小さじ2

ラム肉とトマトのカレー01 1. ラム肉は食べやすく切り、塩、クミンパウダー各少々(分量外)を手で揉み込み、下味をつけておく。

ラム肉とトマトのカレー02 2. 厚手の鍋にサラダ油を熱し、ニンニクを炒め香りが立ったら、ラム肉、玉ねぎを加えざっと炒める。

ラム肉とトマトのカレー03 3. 白ワイン、水を加え、肉が軟らかくなるまで1時間程度煮込む。浮いてきたアクは丁寧に取り去る。

ラム肉とトマトのカレー04 4. ダイス状に切っておいたトマトを3に加える。

ラム肉とトマトのカレー05 5. カレールウを4に加える。

ラム肉とトマトのカレー06 6. カレールウが溶け切ったら、仕上げにクミンパウダーを加え混ぜ合わせれば完成。

 

クミンシード×根菜と挽き肉のカレー

根菜と挽き肉のカレー 根菜の食感と挽き肉の旨味が感じられる定番のカレー。“いつも” ならばカレールウのみで仕上げて満足というところだがクミンシードを投入。小さじ1杯のクミンシードがもたらす“感動”はぜひその舌でお試しを。

【材料】 2人分
サラダ油……大さじ1
豚挽き肉……200g
レンコン……1/2ふし(100g)
ごぼう……1本
しめじ……1/2パック
クミンシード……小さじ1
白ワイン……大さじ1
水……300cc
カレールウ……4かけ

根菜と挽き肉のカレー01 1. 厚手の鍋にサラダ油を熱し、豚挽き肉、塩少々(分量外)を入れ炒める。

根菜と挽き肉のカレー02 2. 挽き肉が色付き、細かくほぐれたら次の工程へ進む合図だ。

根菜と挽き肉のカレー03 3. 皮をむき乱切りにして酢水に浸しておいたレンコンとごぼうは水気を切り、石突きをとったしめじとともに2へ加える。

根菜と挽き肉のカレー04 4. 根菜、しめじがしんなりしてきたら、クミンシードを加えて香りが立つまで炒め合わせる。

根菜と挽き肉のカレー05 5. 白ワイン、水を加えたら蓋をして、具材が軟らかくなるまで20分程度煮込む。

根菜と挽き肉のカレー06 6. 蓋を外し、カレールウを加えて溶かし混ぜれば仕上がりだ。

 

クミン料理の本場、インドと中東の定番レシピに挑戦

クミンを手にしたならば、カレーだけでないクミン料理を会得したい。クミン先進国であるインド、そして中東の郷土料理をひと皿ずつ紹介する。

 

サブジ

「サブジ」は野菜の蒸し煮や炒め物の総称であり、インドの食卓にはよく登場する定番料理のひとつだ。調理自体は決して難しくないが、仕上がりは朴訥とした味わいながらクミンシードの香ばしさを存分に堪能できる。

【材料】 2人分
ジャガイモ……1個
キャベツ……1/8個
クミンシード……小さじ1/4
サラダ油……大さじ1
トマト……1/4個
塩……小さじ1/2

1. ジャガイモは乱切りにし、キャベツは5mm程度の千切り、トマトはざく切りにしておく。

日沼さんのサブジ02 2.フライパンにクミンシードと油を入れ、弱火にかける。

日沼さんのサブジ03 日沼さんのサブジ04 3. 小さな泡が出てきたらゆすりながら焦げないように熱し、準備しておいた野菜と塩を入れ、炒め合わせる。

日沼さんのサブジ05 4. 油が回ったら、蓋をして蒸し煮にする。
日沼さんのサブジ06 5. 途中焦げないようかき混ぜながらジャガイモが煮崩れるまで10分程度加熱すれば完成。野菜の水分が少ないようなら水少々を足すと良い。

 

フムス

フムス フムスはトルコやイスラエル、そしてレバノンなど広い地域で親しまれている、中東を代表する料理である。現地ではクミンパウダーが利いたこの料理を、ホブスと呼ばれる丸く平たいパンにつけて食べる。

【材料】 2人分
乾燥ひよこ豆……1/2カップ

(A)
プレーンヨーグルト……大さじ2
練白ごま……大さじ1
レモン汁……1/4個分
塩……小さじ1/2
クミンパウダー……小さじ1/2

オリーブ油……適量
イタリアンパセリ……適量
粗塩……適量

1. ひよこ豆はひと晩水に浸しておく。

フムス01 2. 鍋にひよこ豆とかぶるくらいの水を入れ、中火で20分程度、豆が軟らかくなるまで煮る。

フムス02 3. 2が温かいうちにミキサーやフードプロセッサーに入れる。

フムス03 フムス04 4. プレーンヨーグルトやクミンパウダーなどAを全て加えて回し、なめらかなペースト状にする。

フムス05 5. 皿に盛り、スプーンの腹で円を描くようにくぼみを作り、オリーブ油を流し入れる。

フムス06 6. みじん切りにしたイタリアンパセリと粗塩、クミンパウダーを散らす。

 

“カレーの香り”だけじゃない!クミンの新たな魅力を引き出すレシピ

第3段階となるこのパートでは、クミンが持つ多面性を引き出すための様々なテクニックを伝授しよう。

 

クミンとナッツのサラダ

クミンとナッツのサラダ クミンは乾煎りすることでナッツの様な芳ばしさを引き出すことができる。熱の入ったシードをふりかけることで、リーフがしんなりするこのサラダは“すぐに食べる”が美味しさの秘訣だ。

【材料】 2人分
セロリ……1/2本
ベビーリーフ……1袋
オリーブ油……適量
塩……適量
クルミ……30g
クミンシード……小さじ1
コリアンダーシード……大さじ1

1. 薄切りのセロリ、ベビーリーフは約10分水に浸した後、水気をきり、ボウルの中でオリーブ油と塩をまぶしておく。
クミンとナッツのサラダ01 クミンとナッツのサラダ02 2. 砕いたクルミ、クミンシード、コリアンダーシードをフライパンで焦げないよう揺すりながら香りが立つまで弱火で煎る。
クミンとナッツのサラダ03 3. 1を野菜が入ったボウルにかけ、混ぜ合わせる。

 

豆とイモのスープ

ムングダールと呼ばれる皮なしひき割り緑豆を使ったスープで活躍するのは、クミンシード内部の香りをオイルに移すテンパリングというテクニックだ。インド伝来のこの技も覚えておきたい。

【材料】 2人分
ジャガイモ……1個
玉ねぎ……1/4玉
トマト……1/2個
ムングダール……1/4カップ
水……800cc
レッドレンティル……1/4カップ
塩……小さじ1/2
クミンパウダー……1つまみ

(A)
サラダ油……大さじ2
クミンシード……小さじ1
カレーリーフ……8枚

1. ジャガイモは水にさらし、玉ねぎはみじん切り、トマトはざく切りにしておく。ムングダールと水を鍋に入れ火にかける。
2. 豆が軟らかくなったら、野菜とレッドレンティル、塩、クミンパウダーを加え、15分程煮込む。
3. 弱火でテンパリングし香りが立ったⒶを1にかける。

鶏のクミン唐揚げ

いつもの唐揚げにひと手間加えることで、グッとスパイシーなひと品に。覚えておきたいテクニックは「半ずり」だ。シードとパウダーの“いいとこ取り” ともいえる必修テクニック。

鶏のクミン唐揚げ_イメージ

【材料】 2人分
クミンシード……大さじ1
鶏もも肉……1枚
塩……小さじ1/2
薄力粉……大さじ3
揚げ油……適量
レモン……適量

作り方はこちら

鯖のマリネ

クミンと相性の良い食材のひとつが鯖だ。酢で〆た鯖をクミンシードとともに油に漬け込むことで、爽やかでありながら、シードの食感とダイレクトな香りを楽しめるレシピである。

【材料】 2人分
鯖……半身
塩……小さじ1
酢……大さじ3

(A)
クミンシード……小さじ2
サラダ油……大さじ2
オリーブ油……大さじ2

1. 鯖は塩をまぶし、冷蔵庫で10分程度置いて水気を拭き取る。さらに酢を回しかけ、冷蔵庫で10分程度置く。裏返して同様に5分程度置く。
2. 皮をひいた鯖と、Aをビニール袋に入れ、冷蔵庫で1時間程馴染ませる。
3. 食べやすく切って器に盛り、ビニールに残ったオイル漬けのクミンをかける。

 

クミン×和食でクミンマスターになる!

クミン和食 究極のクミンレシピはオール和食での食卓コーディネイト。隠し味としてのクミンが生きる6品をご覧あれ。

 

鯖のクミン味噌焼き

鯖のクミン味噌焼き クミンと鯖の相性は前述の通りだが、味噌ともマッチする。その3者が織りなすハーモニーは絶品。

【材料】 2人分
鯖…1尾

(A)
味噌……大さじ2
クミンパウダー……小さじ2
日本酒……大さじ2

鯖のクミン味噌焼き_作り方 1. 鯖は3枚におろし、身から骨を抜く。
2. ボウルで混ぜ合わせたAを鯖の身の両面にぬり、冷蔵庫で1時間以上置く。
3. 鯖の味噌を軽く落とし、魚焼きグリルで両面を焼く。

ニンジンのきんぴらクミン風味

ニンジンのきんぴらクミン風味 クミンシードで炒めるきんぴらは、歯ごたえの豊かさと芳ばしさがクセになる。分量に気を付けることで隠し味としてのクミンが生きる。

【材料】 2人分
オリーブ油……大さじ1
クミンシード……小さじ1
ニンジン……1本
赤ピーマン……1個

(A)
塩……小さじ1/4
砂糖……小さじ1
みりん……小さじ1
醤油……小さじ1
酢……小さじ1

ニンジンのきんぴらクミン風味_作り方

1. フライパンでオリーブ油とクミンシードを弱火にかけ、クミンが泡立ってきたらニンジン、赤ピーマンを入れ、塩を加えて炒める。
2. しんなりしたら、Aで調味し、ざっと混ぜる。

クミンと鯖出汁のおすまし

クミンと鯖出汁のおすまし 和食クミンレシピの中でも意外性の高いおすましだが、セリ科であるクミンの爽やかさと鯖出汁が好相性であることに驚かされるはずだ。

【材料】 2人分
鯖の頭と骨……1尾分
水……800cc
トマト……1/4個
クミンシード……小さじ1程度
昆布……10cm×5cm
塩……小さじ1/2

(A)
酒……大さじ2
ミョウガ……1個

クミンと鯖出汁のおすまし_作り方 1. 鯖の頭と骨、水を鍋に入れ、中火にかける。
2. 沸騰したらアクを取り除き、Aを加え、弱火で30分程度静かに煮出す。濾して小鍋に移し、酒を加えて沸騰させる。
3. 千切りのミョウガを椀に入れ、出汁を注ぐ。

長芋とオクラのクミン出汁浸し

長芋とオクラのクミン出汁浸し 長芋とオクラの清涼感がある出汁浸しにクミンが加わることで、味わいに深みが増し、さらにさっぱりとした印象になるから不思議だ。

【材料】 2人分
(A)
昆布……5cm×10cm程度
水……1カップ
クミンシード……小さじ2

塩……小さじ1/2
長芋……5cm
オクラ……4本
長芋とオクラのクミン出汁浸し_作り方 1. 容器にAを入れ冷蔵庫でひと晩置いてクミンの水出汁をとる。出汁を濾して塩で調味して容器に入れておく。
2. 拍子切りの長芋、ヘタを取ったオクラをさっと湯がき、クミン出汁の容器に浸し、1時間~ひと晩置いて味を染みこませる。

青菜ご飯~カブの葉のクミン漬けで~

青菜ご飯 クミンの登場シーンはメニューを選ばない。なんと白飯にも加えられるのだ。風味が加わった菜飯は子どもから大人まで世代を問わず好まれるはず。

【材料】 2人分
カブの葉……2株分
塩……小さじ1
水……50㏄
クミンシード……小さじ1/2
輪切り唐辛子……2切れ
ご飯……2膳分

青菜ご飯_作り方

1. みじん切りにしたカブの葉と塩(小さじ1/2)を揉み込み10分程置き水気を絞る。
2. カブの葉、塩(小さじ1/2)、水、クミンシード、唐辛子をビニールで冷蔵庫で1日置き、ご飯と合わせる。

 

クミンかりんとう

クミンかりんとう 甘さと少量のクミンが醸すスパイシーさのコンビネーションに、手が止まらなくなること請け合いだ。

【材料】 2人分
(A)
強力粉……50g
クミンシード……小さじ1/2
塩……1つまみ
砂糖……小さじ1

水……大さじ2
揚げ油……適量
砂糖……大さじ6

クミンかりんとう_作り方 1. Aと水をこね、10分程度休ませる。
2. 厚さ1mm程度に延ばしmm×5cm程度に切り揃える。
3. 180℃の油で2~3分揚げる。
4. 砂糖と水大さじ1を弱火にかけて溶かした蜜糖を全体に絡める。

 

「世田谷クミン」直伝!クミンらしさを堪能するレシピ

“クミンらしさ”とは?

週末ともなると様々な年代の人で大賑わいとなる、経堂の『世田谷クミン』。自分流スパイス道を突き進む店主のスパイスマスター・吉岡氏に“クミンらしさ”とは何かを聞いた。

世田谷クミン吉岡氏 「一般的にカレーの匂いと言われますが、クミンをちょっと加えるだけでカレーらしい風味やエスニックな感じが出せます。数あるスパイスの中でも象徴的なスパイスと言えますね」。

そして、クミンラバーのために、と意外な活用法を教えてくれた。「実はクミンって味噌に合うんです。店でもたまにやってるんですよ。大根をクミンと味噌で煮込むんですけど」

そんな吉岡氏が教えてくれた、“クミンらしさ”を堪能できる3つのレシピがこれだ! クミンを手にして、自宅でも試してみよう。

 

クミン愛レシピ1:キーマカレー

吉岡さんのキーマカレー 【材料】 20人分
[ ガラムマサラ ]
クミン……大さじ1
クローブ……大さじ1
シナモン……大さじ3
ターメリック……大さじ1
カイエンペッパー……大さじ1
バター……100g
塩……少々
五穀米……適量

[ ドライカレー ]
豚と鶏の合挽き肉……1㎏
トマト缶……2缶
玉ねぎ……6玉
ニンジン……1本
セロリ……1本
ニンニク……1個
生姜……3片
ひよこ豆……200g
レッドキドニー……200g
醤油……少々
オイスターソース……少々
ケチャップ……少々

[ ベースのトマトスープ ]
玉ねぎ……6玉
ニンジン……1本
セロリ……1本
ニンニク……1個
生姜……3片
トマト缶……1缶
鶏ガラスープ……2ℓ

吉岡さんのキーマカレー01 1. ガラムマサラをフライパンで黒ずむまで乾煎りする。

吉岡さんのキーマカレー02 2. 1にバターを投入し、トマトスープと混ぜる。

吉岡さんのキーマカレー03 3. 炒めて仕上げたドライカレーを2に加え五穀米と一緒に盛る。

クミン愛レシピ2:サブジ

吉岡さんの青大豆サブジ

【材料】 作りやすい量
クミンシード……1つまみ
マスタードシード……1つまみ
サラダ油……適量
玉ねぎ……1玉
ガーリックパウダー……適量
チリパウダー……適量
塩……適量
青大豆……200g
パクチー……好みで

吉岡さんの青大豆サブジ01 1. クミンとマスタードシードを多めのサラダ油でじっくり炒める。

吉岡さんの青大豆サブジ02 2. 1にみじん切りした玉ねぎを加え、その他の調味料を入れて、さらに茹でた青大豆とパクチーのみじん切りを絡める。

 

クミン愛レシピ3:大根とオリーブの煮込み

吉岡さんの大根とオリーブの煮込み

【材料】 作りやすい量
大根……1/2本
クミンシード……1つまみ
コリアンダーシード……1つまみ
塩……適量
オリーブ……30g
シェリービネガー……30㏄
レモン……1/2個

大根とオリーブの煮込み01 1. 大根を水から煮て、クミン、コリアンダー、塩、オリーブを加え、落とし蓋をして再び煮る。

大根とオリーブの煮込み02 2. 10分後にシェリービネガーとレモン汁と搾り終えたレモンを丸ごと入れ、少々煮たら完成。

 

クミン信奉を卒業!次に覚えたいスパイス5選

スパイス使いの手始めとしてはクミンは最適解と言えるが、それだけでは作る料理が単調になってしまいかねない。いつもと違うスパイスを使用して料理を美味しくできないものかと、ふと感じる趣味人もいることだろう。

あえてクミンの代用を考えることでスパイスの楽しみは広がっていく

では、クミンの代わりにどんなスパイスを使えば良いのか?これまで、様々なエスニック料理を手掛け、現在は東京・豊島区でカレー店『カッチャル バッチャル』を営む田村修司氏に聞いてみた。

カッチャル バッチャル店主の田村修司氏。インド料理店で修業後、2011年に豊島区・南大塚で自身の館となるカッチャル バッチャルを開業。店名はヒンディー語で「ごちゃ混ぜ」の意。

「正直なところ、私が作るメニューは9割がたクミンが使われているんですが、作る側からしても日常的に当たり前のように使用しているもの。それはエスニック料理全般に言えることだと思います。ただ、インドの豆カレーでクミンを使わないメニューもありますし。クミンがなければエスニック料理が成立しないかと言われるとそうでもない気がします。ことカレーにおいては、ガラムマサラをレギュラーとし、ほぼ準レギュラー的立ち位置であるクミンを外すことは普通では考えられませんが、スパイス自体、数えきれないほどのバリエーションがあります。その中で、新たなスパイスを開拓してみるというのも料理の幅を広げる意味で面白いかもしれませんね」

素材や味付けとの相性からスパイスを探る

田村氏に“脱・クミンレシピ”を依頼すると、広く知られているブラックペッパーやコリアンダーシード、そしてマニアックなアジョワン、メティ、フェンネルの5つのスパイスをクミンの代用として起用するエスニック料理を提案してくれた。その中にはクミンの使用が必須と潜在的に思われているカレーが入れられているのも興味深い。「たしかにカレーやエスニック料理にとって、クミンは余りある存在感を発揮するスパイスですが、他のスパイスを使うことでも料理に変化を付けることはできます。これまで、何の疑問も持たず、無意識にクミンを使用していましたが、あえてクミンを使わずに素材や味付けと相性の良いスパイスを探してみるのも良いかもしれません」

料理は応用するからこそ楽しいもの。クミンを使うことを否定するわけではなく、あくまでも料理をアレンジするひとつの手段としてのスパイス替え。いままで知らなかったスパイス、または知ってはいたものの使ったことがなかったスパイスを使ってみると意外にクミンよりも相性が良かったという発見があるかもしれない。スパイスの知見を広める、そのための第一歩として、クミンを封印してみるというのは、実に有効な手段といえるのではないだろうか。

 

クミンの代用スパイス1:フェンネル

フェンネル

鰤のカレー

鰤のしつこい脂っぽさを軽減してくれる爽やかな香りと風味。フェンネルマジックをご堪能あれ。
鰤のカレー

【材料】
サラダ油……40g
ごま油……20g
フェンネル……5g
マスタードシード……2g
ニンニク(スライス)……2片
玉ねぎ(スライス)……1/2玉
トマトピューレ……75g
コリアンダーパウダー……3g
ターメリック……3g
塩……5g
ココナッツミルクパウダー……50g
水……1400cc
レモン汁……1/4個分
黒砂糖……5g
鰤……1切れ

〈トッピング〉
刻み生姜……少々
パクチー……少々
トマト……少々

【作り方】
2種の油をひとつのフライパンで熱し、フェンネル、マスタードシードを入れ油に香り付けする。さらにニンニク、玉ねぎを色付くまで炒める。トマトピューレ、コリアンダーパウダー、ターメリック、塩、ココナッツミルクパウダーを加え加熱後、水、レモン汁、黒砂糖を投入し、最後に鰤を入れ、火が通ったらカレーの完成。器に盛り付け、トッピングをして出来上がり。

クミンの代用スパイス2:メティ

メティ

ラムチョップのグリル

甘くほろ苦いメティの風味がやわらかでジューシーなラムの野趣を引き立てる。
ラムチョップのグリル

【材料】
ラムチョップ……1kg

(A)
塩……10g
ヨーグルト……400g
ニンニク(ペースト)……20g
生姜(ペースト)……20g
メティ……3g

【作り方】
ラムチョップをAの浸けダレに3日間ほど漬け込んでおく。味付けされた肉の表面に多少焦げ目が付く程度に15分強オーブンで焼いて出来上がり。

クミンの代用スパイス3:アジョワン

アジョワン

海老の香味焼き

濃厚ながら爽快なソースとぷりっとした食感を楽しもう。
海老の香味焼き

【材料】 2人分
(A)
アジョワン……1g
塩……1g
ターメリック……1g
ニンニク(ペースト)……1g
生姜(ペースト)……1g
カイエンペッパー……1g
オリーブ油……少々

海老……4尾
刻みパクチー(仕上げ用)……少々

【作り方】
Aを丁寧に混ぜて撹拌する。これを下処理が施された海老に塗りオーブンで5分強ほど焼く。仕上げに刻みパクチーをまぶして完成。

 

クミンの代用スパイス4:コリアンダーシード

コリアンダーシード

新野菜のピクルス

ジューシーで甘い野菜と、ほんのりコリアンダーの香りの妙。
新野菜のピクルス

【材料】 8人分
(A)
水……1L
酢……500㏄
ローリエ……5枚
コリアンダーシード……10g
タカノツメ……5本
ハチミツ……100g
塩……20g

旬の野菜(赤大根、ウド、カブ、キュウリ、コリンキー、シラウリ、トウモロコシ、ミニトマトなど)…適量

【作り方】
Aを合わせて中火で加熱。沸騰したら火を止めひと口大に切った野菜を煮汁に浸す。常温で3時間寝かせ、熱が取れたら冷蔵庫で1日寝かせて完成。

 

クミンの代用スパイス5:ブラックペッパー

バターチキンカレー

なめらかで甘いバターの風味にブラックペッパーのアクセントが好相性。
バターチキンカレー

【材料】 4人分
無塩バター……120g
シナモンスティック……3g
カルダモン……3g
ニンニク(ペースト)……50g
生姜(ペースト)……50g
ホールトマト……1kg
塩……12g
ハチミツ……50g
ブラックペッパー……10g
生クリーム……250ml
鶏肉……500g

(A)
塩……5g
ニンニク(ペースト)……12g
生姜(ペースト)……12g
ヨーグルト……25g

【作り方】
無塩バターを中火で溶かし、シナモンスティック、カルダモン、ニンニクペースト、生姜ペースト、ホールトマト、塩、ハチミツ、ブラックペッパーの順で加熱しながら2時間ほど煮込みルウが完成。最後に生クリームを投入し火を止める。鶏肉はAを混ぜ合わせたタレに1時間ほど漬け込み、オーブンで15分ほど焼く。焼いた肉にルウを絡めて完成。

 

ここまで、クミンのもつたくさんの魅力を引き出す多様なレシピ、そしてクミンを入口にして広がっていくスパイスの世界をご紹介した。
世界中で愛されるクミンを知り使いこなせるようになれば、世界の料理はぐっと身近なものになってくる。
スパイスマスターたちの知恵と経験から生まれたレシピを参考に、クミンの世界を存分に楽しもう!

(出典:『Spice Complete』)

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buono 編集部

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使う道具や食材にこだわり、一歩進んだ料理で誰かをよろこばせたい。そんな料理ギークな男性に向けた、斬新な視点で食の楽しさを提案するフードエンターテイメントマガジン。

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