【自家製してみる?】プロが教える本格ベーコンの作り方
buono 編集部
- 2024年03月30日
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熟成肉のブームとともに、大きくクローズアップされる牛肉に対し、すこし派手さにかける豚肉ですが、牛肉よりも豚肉が好き、という声は実のところかなり多い。
本格自家製ベーコンにチャレンジ
一度は作ってみたいと思っていた、豚肉を使って。自家製でつくる時間、できあがりを待つ時間、時間と手間のかかる調理が楽しくなるほどの出来栄え。プロが教える自家製レシピを再現してみよう。
さまざまな料理に使える万能選手、ベーコンは豚肉の自家製にチャレンジするなら是非試してみたい。塩分が少ない自家製ベーコンは1週間程度保存が可能。長期保存はできないが、ジューシーで分厚い夢のようなベーコンが作れるのだからやってみて損はない。
基本の3つの燻製法
燻製作りは必要最低限の道具さえ揃っていれば誰でも気軽に挑戦できるもの。ほとんどの燻製は塩漬け、塩抜き、 乾燥、燻煙という過程が基本となる。できあがりまでの時間は楽しく、待ち遠しい。
熱燻
80°C以上の温度で、10〜30分という短時間で食材を燻製する方法。中華鍋、フライパン、ダッチオーブンなど家庭にあるものを使って手軽に楽しめるのでトライしてみよう。
温燻
60〜80°Cで1〜6時間程度、食材を燻製する方法。素材の下ごしらえさえしてあれば、小型のスモーカーで比較的短時間で仕上がる。季節を問わず楽しめるので、初心者にもおすすめ。
冷燻
30°C以下の温度を保って長時間、食材を燻製する方法。大型スモーカーや、特殊なスモーカーを使って、低温を保つ必要があるので、気温の低い季節に行うのがベター。上級者向けの燻製方法だといえる。
ベーコンの主な種類を押さえておこう
ベーコン
豚ばら肉を整形し、塩漬けした後に長時間燻製。脂が多くのっているので、カリカリとした食感に。
ロースベーコン
豚肩肉を使って整形し、塩漬け・燻製したもの。脂肪分は少ないのが特徴的。
ショルダーベーコン
豚のロース肉を整形、塩漬けして燻製したもの。脂肪が少なく比較的あっさり味。
ベーコン作りに必要な道具
- 鍋
- まな板
- 包丁
- ボウル
- 密閉ビニール袋
- 脱水シート
- キッチンペーパー
- バット
- ラップ
- アルミホイル
- 茶こし
- 網またはザル
- スモーカー
ベーコンの材料
豚肉(バラ)ブロック……500g
振り塩……大さじ1
〈ソミュール液〉
水……200cc
塩……40g
砂糖……20g
ニンニクスライス……1かけ分
黒コショウ……小さじ1
スパイス、ハーブ(お好みで、オールスパイスなど)
1.肉選びのポイント
肉は、脂身が多めの豚バラブロック肉を使用する。細長くベーコンにしやすいサイズを。ベーコンに使用されている豚バラ肉とは、赤身と脂肪が交互に3層になっている腹部の肉のこと。三枚肉とも呼ばれる。燻製に使う豚バラ肉は冷凍ではなく常温で解凍されているものを使う。赤身の赤と脂肪の白のコントラストがきれいな物を選ぼう。
2.塩漬け(工程時間:約3分)
1 肉をまな板などに置き、片手で塩を少し多めにつまんですり込む。
2 肉をさするように表面に塩をすり込んでいく。比較的すり込みやすい形状になっている。
3 ブロック肉を横に倒して、手でやさしく側面にも塩をすり込む。
4 ブロック肉を裏返して、裏面にも塩をすり込んでいく。このように全面にすり込む。
3.脱水(工程時間:1日)
1 バットに脱水シートを広げ、その上に塩をすり込んだブロック肉をおく。
2 ブロック肉全体に脱水シートが当たるように工夫しながらぴったり包む。
3 包んだブロック肉をバットに入れたまま冷蔵庫に入れる。冷蔵庫にいれて1日おくと、素材がひきしまり、味が入りやすくなる。
4.ソミュール液を作る(工程時間:約20分)
ソミュール液(漬けこみ液)に漬けることによって肉に下味をつけていく。10〜30%の濃度の塩水に、砂糖、好みのスパイスを入れて、自分好みの味を見つけよう。
1 ソミュール液に入れる具材のニンニクをスライスして準備しておく。
2 鍋に砂糖20gを入れる。今回はザラメを使っているが、砂糖の種類はお好みで。
3 塩40gを鍋に入れる。ソミュール液の塩分濃度は約10〜30%程度を目安にするいい。
4 黒こしょうを入れる。スパイスを使うときはそれぞれの特徴を理解して使うといい。
5 ニンニクスライスを入れる。今回のベーコンのソミュール液の具材はこちらのみ。
6 オールスパイスを加える。スパイスやハーブなど、ソミュール液には好みのスパイスを入れるといい。
7 すべての材料を入れた鍋を火にかける。火加減は中火のままで、ひと煮立ちさせる。
8 中火のままで沸騰してきたら、火を止めて、鍋をコンロからおろす。
9 ボウルに水を入れて、ソミュール液が入った鍋を入れて冷やす。鍋の中に水が入ってしまわないように、充分注意したい。ある程度冷めたら、水を替えて氷を入れる。氷と比べて溶けにくい保冷剤を入れて冷やすのが便利。
5.漬ける(工程時間:5日)
1 冷めたらソミュール液を密閉できるビニール袋に茶こしでこしていれる。
2 冷蔵庫に入れておいた豚肉ブロックを取り出す。キッチンペーパーでふく。
3 拭き残しがないように、しっかりと隅々まで水分を拭き取るようにする。
4 ソミュール液が入った密閉ビニール袋に水分を拭き取ったブロック肉を入れる。
5 両手で密閉ビニールの両側を持ち、空気をぬきながらビニールの口を押さえる。
6 ブロック肉がソミュール液に充分浸かった状態で密閉ビニール袋の口を閉じる。
7 ビニール袋に空気は入らず、ブロック肉がソミュール液に浸かっているようにする。
8 バットごと冷蔵庫に入れる。生肉なので必ず冷蔵庫で漬けること。時々上下をひっくり返して、まんべんなくソミュール液がしみ込むようにする。ブロック肉の上下を交互に返しながら、5日間冷蔵庫に置いて漬ける。
6.塩抜き(工程時間:約4時間)
1 5日間漬けて少し色が変化した肉をソミュール液から取り出す。
2 ボウルに水を張り、底に塩分がたまるので、必ず底に網またはザルを敷いて肉を入れる。途中、数回水を替えながら、3時間以上塩抜きをする。
3 水から肉を引き上げ、少し切って塩抜きができているか確かめる。切り取った肉をフライパンに乗せて 中に火が通るまで焼き、塩抜き確認のために味見をする。この塩抜きの具合で出来上がりの味がかなり変わってくるので慎重に。味見をして塩気が強かった場合はもう一度2に戻って水に再度浸して塩抜きを行う。
まだ塩漬けをしてソミュール液に漬けただけだが、旨味は増しているのがわかるだろう。ここまで順調ならば、あと少し!
7.乾燥(工程時間:約半日)
1 味見のために取り出したブロック肉は水を入れ替えて浸しておく。
2 ボウルの中からブロック肉を取り出し、キッチンペーパーの上に取り、水分を拭き取っていく。溝の部分なども注意してできるだけ水分を拭き取るようにする。
3 バットの上に脱水シートを広げる。その上に水分を拭き取ったブロック肉をおく。
4 塩漬け工程と同じように、脱水シートですき間なくぴっちりと包み込んでいく。
5 夏場は温度が上がるので脱水シートに包んで冷蔵庫へ。冬場は外に干してもよい。冷蔵庫にいれて8〜12時間置いて乾燥させる。
8.燻製(工程時間:約4時間)
1 スモーカーの下段にアルミホイルを敷いて、割ったスモークウッドをおく。ここで使用しているのは、進誠産業の「サクラ」。
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2 2 段目は、肉の脂がスモークウッドに落ちないようにアルミホイルを敷いておく。
3 ブロック肉を入れ、スモークウッドに火をつける。60〜80°Cで3時間燻製する。
ベーコンの保存
冷蔵庫の匂いが移らないように、ベーコンにラップをし、さらに密閉容器に入れて保存する。自家製のベーコンであっても4〜5日持つが、なるべく早く食べきることが基本。そして、ベーコンは必ず加熱して食べること。生食はできない。
教えてくれた人
燻製ニスト 佐藤暁子さん
日本燻製協会代表。自身が運営する燻製バー店主。燻製教室も開催中。
http://www.smoke-sato.com
出典
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PROFILE
buono 編集部
使う道具や食材にこだわり、一歩進んだ料理で誰かをよろこばせたい。そんな料理ギークな男性に向けた、斬新な視点で食の楽しさを提案するフードエンターテイメントマガジン。
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