座席はあわせて16席! 商店街の一角に息づく小さな小さな映画館

小規模映画館のモデルケースを目指して

藤沢市鵠沼海岸商店街の一角に2017年オープンした『シネコヤ』。1階はパン屋+カフェスペース、2階は店主の竹中翔子さんセレクトの映画が流れ、蔵書3000冊が自由に楽しめる、いわば街の映画館・喫茶店・図書館的空間だ。

藤沢在住の竹中さんは、街の映画館が閉館してしまうことに寂しさを感じて自主上映の開催をスタート。さまざまなコンセプトの上映会を約9年間に渡って続け、ついに常設のお店を構えるに至った。

上映スペースがある2階は全部で16席。ふかふかのソファやゆったり座れるひとり掛けなど、席の個性もいろいろだ。なかでも横浜の映画館『シネマジャック&ベティ』の改装時に譲り受けたというイスは人気席となっている。映画のパンフレットや関連書籍も圧巻で、つい時間を忘れて見入ってしまう。

小腹が空いたら、1階に併設するパン屋で、パン職人・アライチヨコさんの焼くパンを食べることもできる。

アライチヨコさんが、竹中さんが開催した上映会でパンを差し入れたのをきっかけに親交がスタートしたというお二人。アライさんのカンパーニュのおいしさに惚れ込んだ竹中さんが『シネコヤ』をオープンする際に出店を提案し、現在は日曜〜水曜にシネコヤのキッチンでパンを焼く。自家製のぶどう酵母と、こだわり抜いたシンプルな材料で作られたパンはたくさんの映画好きの胃袋を掴んでいる。映画や本を楽しみながら、ゆっくりパンを味わえるとは、なんとぜいたくな空間なのだろう。

「映画館が減ってしまう中、小規模でもいいから映画に触れられる空間のモデルケースを作りたかった」と竹中さん。見逃した作品を目当てに足を運んだり、買い物の帰りに映画を観たり。湘南に暮らす人のライフスタイルにカルチャーを楽しむ姿勢が根付きつつある。

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横浜のミニシアター『シネマジャック&ベティ』の改装時に譲り受けたというのがこちらのイス。

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初めは3000冊程度だった蔵書スペースはお客様からの寄付や、竹中さんが少しずつ買い揃えており、より拡大中。どの一冊にしようか迷う時間もまた楽しい。

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月替わりのおすすめ本コーナー。本と映画のテーマを合わせ、セットでより深く楽しめる。

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欠番なしで1970〜2015年までの全号を揃えている『キネマ旬報』はマニア垂涎もの。

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店内で少しずつ焼き上げるパンは全部で10〜15種類。乳製品と油脂を一切加えないためママ層からも人気で、幅広い世代から支持を集めている。

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初めて訪れてもどこか懐かしい気持ちになるのは、かつて写真館だった建物を改装して作られ、床や照明器具なども、もともとあったものを使用しているからだろう。

【DATA】
●シネコヤ
住所:藤沢市鵠沼海岸3-4-6 
電話:0466-33-5393  
営業時間:9:00〜19:00頃 
定休日:木曜

(出典:『湘南パン本』

(編集 M)

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