バンカーショットが上達する! 基本の打ち方と攻略法で一発で脱出する
EVEN 編集部
- 2020年12月30日
コックをキープしたままインパクトする
ボールの真下にヘッドを打ち込むためのポイントは、コックを絶対にほどかないことだ。いわゆるハンドファーストの状態でインパクトすることを意識しよう。トンカチで釘を打つのと同じで、手首の角度がキープされているほうが強く叩ける。ただし、ボールに対して強く打ち込む意識が強いと、腕だけの力で打ち込もうとしてコックがほどけてしまう。それでは脱出できないので注意しよう。
トンカチで釘を打つ時にスナップを利かせるのと同じように、手首の角度をキープしてハンドファーストでインパクトしよう。
超コックでヘッドを高い位置に上げる
フェースを開いて目玉状態のボールを打つためのちょっとした工夫というのが、ヘッドの重さを利用する打ち方だ。ヘッドの重さを利用するためには、テークバックでヘッドを高い位置へ持ち上げる必要がある。そのためには、コックを早めに入れるのがポイント。目玉状態のボールはかなり大きく振っても飛び過ぎることはないので、勇気を持って大きく振りかぶろう。
コックは左手の親指方向へ上げていくイメージ。自分の中でかなり積極的に手首を折っていく感覚でクラブを高く上げる。
左肩をダウンスイングで下げてヘッドが下にいく力を大きくする
目玉から脱出させる時にポイントになるのが、ヘッドを砂の中にしっかり打ち込むことと、ボールにできるだけ前に飛ぶ力を加えることだ。そこで実践してもらいたいのが、ダウンスイングで左肩を下げる動き。通常、左肩を下げる動きはNGと思われがちだが、実は下に力を加えるには最適なのだ。左足に目一杯体重をのせながら、思い切ってダウンスイングで左肩を下げてみよう。
バンカーはダフってもOK!
ダウンスイングで右肩が下がってしまうと、ボールのかなり手前にヘッドが落ちるので脱出が難しくなる。
右ヒザを送る動きでクラブを下ろすと打ち急がなくなる
目玉状態のボールを目の前にすると、人間の心理として「強く打ち込まないと」という意識が強まって上半身に力が入ってしまう。そうなると、腕の力だけでクラブを下ろしてしまいがち。いわゆる手打ちだ。目玉のような特殊な状況ではある意味で上半身手動でも打てないことはないが、打ち急いでしまうと打点がずれるので、砂を打ち込まずにボールを叩いてしまって、ボールがさらに潜ってしまうこともある。切り返しからクラブを下ろす時に、右ヒザを左に少し送る動きをきっかけにすると打ち急がなくなる。
左ヒジを緩めておくと逆に力を入れられる
クラブの重さを利用して砂を爆発させるには、クラブの重さを感じながらインパクトする必要がある。「手首の角度をキープしたままインパクトするように」と前述したが、そのためには、切り返しからインパクトにかけて左ヒジをピンと張らずに緩めておくと良い。これだけのことでヘッドが砂にかなり入りやすくなり、ヘッドが遅れて下りてくる=ハンドファーストでインパクトできる。
左ヒジを緩めておくとヘッドが遅れて下りてくるので、上から打ち込みやすい。力を下に加えやすくなる。
上半身に力が入ると腕にも力が入ってピンと伸ばした状態になりがち。腕が伸びた状態だと力は発揮できない。
バンカーの硬さ別の対処法
プロゴルファーや上級者は、「ラフから打つよりもバンカーショットのほうが簡単だ」と言うが、そのぐらい自信をもって打てるようになりたい。そこで今回は砂の硬さによって変わってくるバンカーショットの打ち方をご紹介しよう。
砂が硬いバンカーは軌道のイメージをV字にする
砂が硬いバンカーはプロや上級者にとってはそれほど難しくないといわれる。理由は砂を取る量が一定になるからだ。一方、アベレージアマチュアにとっては硬い砂のバンカーはヘッドが弾かれるような感じがして嫌な印象を持つ人がほとんど。そこでバンカーの砂が硬い時に意識したいのがV 字軌道だ。コックを使ってやや鋭角にクラブを上げたら、コックをほどかずにインパクトし、さらにヘッドを高い位置に振り上げよう。
スイング中は手首を横にこねる動きではなく、縦にコックを使うイメージをもってV 字軌道で振ると、砂が硬くても地面にヘッドが弾かれることがなくなる。
砂が柔らかいバンカーは右腕をインパクトで伸ばすように使う
砂が柔らかいバンカーショットはヘッドが砂に潜り過ぎるのを避けたい。そのためには、右腕を長く使うのが効果的だ。切り返しからダウンスイングにかけて、右腕を意図的に伸ばしていくのだ。ポイントはトップの段階では腕を伸ばさないこと。切り返してダウンスイングに入り、体を回転しながら伸ばしていく。するとインパクトエリアが長くなって、多少手前から入り過ぎてもボールを前に飛ばすことができる。
切り返しからダウンスイングにかけて、体をしっかりと回しながら右腕を意図的に伸ばしていくとインパクトエリアが長くなる。砂が柔らかい時に効果的なテクニックだ。
砂をできるだけ浮く取るためにノーコックで振る
プロでも難しいというのが柔らかい砂のバンカーショット。理由はヘッドが砂の中に入りすぎる可能性があるからで、どれだけ飛んでどれだけ転がるかが計算しにくくなる。砂はできるだけ薄く取りたいので、コックは入れずにノーコックで入射角とヘッドを抜いていく角度を鈍角にしておこう。砂が柔らかくても砂の取れる量が一定になれば、距離感は安定する。あとはスイング中に体の上下動が起こらないようにしよう。
テークバックでできた手首の角度をキープしたままダウンスイングする。コックを入れるほど入射角は鋭角になってしまう。
フォローでも手首をこねることをせずに体のターンでヘッドを出していく。手首を使うと入射角がバラバラになりやすい。
教えてくれたのは西村至央コーチ
1977年生まれ。専修大学出身。ミライズゴルフアカデミー主宰。神奈川県を中心にレッスン活動を展開。ビギナーからトッププロまで様々なゴルファーの悩みに対し、わかりやすく指導してくれると高い評価を得ている。
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PROFILE
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スタイリッシュでアスリートなゴルファーのためにつくられたマガジン。最旬のゴルフファッション、ギア、レッスン、海外ゴルフトリップまで、独自目線でゴルフの魅力をお届け。
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