低温調理、最終案内。|短時間で熟成効果のある最新メソッドを徹底解剖
buono 編集部
- 2020年10月07日
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厚生労働省による食肉の加熱基準を参考に
以下は、ローストビーフ(特定加熱食肉製品)などを販売するときに定められた基準だが、低温調理の温度帯でもクリアできることがわかる。
- 製造に使用する原料食肉は、と殺後24時間以内に4°C以下に冷却し、且つ、冷却後4°C以下で保存した肉塊でpHが6.0以下でなければならない。
- 製造に使用する冷凍原料食肉の解凍は、食肉の温度が10°Cを超えることのないようにして行わなければならない。
- 製造に使用する原料食肉の成形は、食肉の温度が10°Cを超えることのないようにして行わなければならない。
- 食肉の塩漬けを行う場合には、肉塊のままで、乾塩法または塩水法により行わなければならない。
- 塩漬けした食肉の塩抜きを行う場合には、5°C以下の飲用適の水を用いて、換水しながら行わなければならない。
- 製造に調味料等を使用する場合には、食肉の表面にのみ塗布しなければならない。
- 製品は、肉塊のままで、その中心部を以下の表Aに掲げる温度の区分に応じ、掲げる時間加熱し、またはこれと同等以上の効力を有する方法により殺菌しなければならない。この場合において、製品の中心部の温度が35°C以上52°C未満の状態の時間を170分以内としなければならない。
表A
55°C | 97分 |
56°C | 64分 |
57°C | 43分 |
58°C | 28分 |
59°C | 19分 |
60°C | 12分 |
61°C | 9分 |
62°C | 6分 |
63°C | 瞬時 |
低温調理の申し子、ANOVAを使ってみた。
ANOVAは、水を張った鍋に入れ、温度設定するだけで袋に入れた食材を一定温度で加熱できる恒温湯煎器。
「低温調理は料理人の勘や感覚を数値化した調理法なので、食材と温度の関係さえ理解すればプロ級の火入れができます。スイッチを入れたら放置していいので、その間に付け合わせやソースも作ることも。業務用の約10分の1という価格も魅力的」
最小限の道具だけで簡単&安全にできる!
ANOVAを使う際に必要なのはジッパー付きの食品保存袋とクリップ、寸胴鍋のみ。鍋は深めのパスタポットが使いやすい。手軽なだけでなく、火を使わないので、日をまたいだ使用でも火事の心配がなく、安全性も高い。
工程1
鍋にMINメモリより上まで水を入れ、設定した温度表示になったら、食材入りの袋を浸ける。
工程2
水圧を利用して空気を抜きながら封をする。
工程3
本体に付かないようにクリップで留める。
ポイント
蒸発が心配な場合はラップをかける。
使用後は必ず水気を拭き取る
ANOVAを使った後は、下部のステンレスを外し、錆の原因にならないように中の水気をしっかり拭き取る。
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写真=深澤慎平/加藤史人/久保田敦/西島渚
文=藤谷良介/本多美也子/河西みのり/和谷尚美/岡村一葉
監修・調理=樋口直哉
参考文献=「マギーキッチンサイエンス」(共立出版)
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PROFILE
buono 編集部
使う道具や食材にこだわり、一歩進んだ料理で誰かをよろこばせたい。そんな料理ギークな男性に向けた、斬新な視点で食の楽しさを提案するフードエンターテイメントマガジン。
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