
プロみたいなカッコイイ風景写真を撮りたい!【シーン別編】

FUNQ
- 2019年01月30日
INDEX
太陽の位置によって日の入り方や、雲の位置は刻一刻と絶えず変化する。さまざまなシーンの風景を美しく撮影するためにはちょっとしたテクニックも必要だ。湘南を中心に活躍しているプロカメラマン・市川紀元さんのレクチャーを参考に、心に残る風景を写真に収めてみよう。
もうひと粘りすると、思いがけない光景に出会うことも
西の空に広がる雲を日没後の残照が真っ赤に染めた様子を収めた。夕陽が沈むとすぐに帰ってしまう人もいるが、もう少し粘ってみると雲が染まったりと思いがけない光景に出会うこともある。真っ赤な空、鮮やかな陽のオレンジ、山の稜線のシルエット、穏やかな海面、すべてが絶妙なバランスだ。
【DATA】
カメラ:Canon EOS 5D Mark IV
レンズ:EF70-300mm f/4-5.6L IS USM
絞り:F7.1
シャッター:1/160秒
ISO感度:200
撮影ポイント:藤沢・鵠沼海岸のユニオン前、ウッドデッキ付近で日没直後に撮影。
覚えておきたい! アンダー気味の露出で、赤く染まる空を強調。
残照を活かすことで、さらに光が映える写真に
イルミネーションの撮影では、西の空にまだ明るさが残る時間帯であることがポイント。夕暮れの空のグラデーションをバックにイルミネーションがより美しく輝いて見える。安易にISO感度を上げるのではなく、三脚+レリーズを使用してわずかな光を集めるように撮影している。
【DATA】
カメラ:Canon EOS 5D Mark IV
レンズ:EF16-35mm f/4L IS USM
絞り:F11
シャッター:0.5秒
ISO感度:250 ※三脚使用
撮影ポイント:冬の風物詩でもある江の島のイルミネーション『湘南の宝石』を江の島内のサムエル・コッキング苑にて点灯直後に撮影。
覚えておきたい! 夜景は三脚+レリーズを使って、ブレには細心の注意を。
雪の美しさを表現するために、足跡がない時間・場所で
雪の翌日は青空になることが多いが、この日は生憎の曇天。しかし雲の隙間を縫って陽が射した瞬間を切り取った。雪の美しさを表現するため、まだ人の足跡がない場所を探して手持ちのローアングルで撮影。手前だけ、奥だけでなく、より絞り込むことでピントの合う範囲を全面に。
【DATA】
カメラ:Canon EOS 5D Mark IV
レンズ:EF16-35mm f/4L IS USM
絞り:F14
シャッター:1/125秒
ISO感度:125
撮影ポイント:2018年の1月の大雪の翌朝早く、鵠沼海岸のデッキ前の銅像の中間あたりで撮影。
覚えておきたい! 手前の雪にピンを合わせつつ、奥行きが出るよう絞り込む。
明るめの露出と、線路脇の猫じゃらしで柔らかい光を表現
手前には路肩に生えた猫じゃらしをぼかして写り込ませ、やや明るめの露出で柔らかい光を表現。電車が来る前にあらかじめ露出を設定しておくことが撮影のコツ。電車が来ても車体の明るさに露出を引っ張られることなく、適正露出で撮影することができる。
【DATA】
カメラ:Canon EOS 5D Mark IV
レンズ:EF70-300mm f/4-5.6L IS USM
絞り:F6.3
シャッター:1/400秒
ISO感度:200
撮影ポイント:由比ヶ浜駅に到着する江ノ電を収めた、湘南らしい光景。せっかく撮影するなら300系車両がオススメだ。
覚えておきたい! マニュアルモードであらかじめ適正露出を設定。
日の出直後の太陽と、青空、雲をビーチにも映り込ませてみる
太陽のオレンジはもちろん、空を演出する雲の広がりと青い空をいかに表現するかにこだわった。赤系の色は出やすいが、青系はキレイに出すのがなかなか難しく、撮影後の画像調整が大切になる。雲と空を濡れたビーチに映しこむために、波が寄せた時ではなく引いた時に撮影しているのもテクニックのひとつ。
【DATA】
カメラ:Canon EOS 5D Mark IV
レンズ:EF16-35mm f/4L IS USM
絞り:F9.0
シャッター:1/125秒
ISO感度:200
撮影ポイント:鵠沼海岸の銅像前あたりのビーチから、日の出直後に撮影。
覚えておきたい! 色味を調整して『青』を美しく出すこと。
『けあらし』が幻想的なシーンを演出
上の写真とほぼ同じ場所で、こちらは望遠レンズを使用してサーファーにクローズアップし、サーファーが海に入るのを待って撮影した。海面から立ち上がるけあらしは、風のない冷え込んだ朝に見られる光景で、幻想的なシーンを演出する。バックに街並みが映ることで、改めて湘南は人の暮らしと海が近しい関係であることが実感できる1枚に。
【DATA】
カメラ:Canon EOS 5D Mark Ⅲ
レンズ:EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM
絞り:F8.0
シャッター:1/1000秒
ISO感度:100
撮影ポイント:鵠沼海岸の銅像前あたりのビーチから、日の出直後に撮影。
覚えておきたい! やや露出をアンダーにして、けあらしを強調。
●市川紀元
1960年生まれ。鵠沼海岸在住。25年ほど前から湘南の波とサーファーを撮り始め、近年は写真教室を主催するなど、湘南を中心に精力的に活動の場を広げている。
http://surfshonan.com
(出典:『湘南スタイルmagazine 2019年2月号第76号』)
(編集 M)
- BRAND :
- 湘南スタイルmagazine
SHARE